安倍政権が今国会での最重要法案と位置づける教育基本法改正案を審議している衆院教育基本法特別委員会は、採決の日取りをめぐり、大詰めを迎えている。12月15日の会期末までのスケジュールで、与党側が、参院は審議に1カ月を要するとみて、来週中の衆院通過の意向を示しているためだ。

 だが、特別委員会で専ら審議されたのは、高校の必修科目未履修やいじめの問題。さらに、青森県八戸市など全国で過去8回開催された政府主催の「教育改革タウンミーティング」で教育基本法改正への「やらせ質問」が5回あったことが発覚した。改正案が提出された先の国会と、状況は大きく変わった。

 教育の憲法である教育基本法は、現実に起きている事柄に立脚してこそ、課題解決の道標となる。法案の拙速な可決、成立に走らず、徹底した議論を重ねることが求められている。

 履修漏れといじめは、現代社会に巣くう“病理”が如実に反映したのであろう。履修漏れは受験戦争、競争社会を、いじめは寒々とした心の荒廃が、教育委員会や教師にまでに及んでいる実態を浮き彫りにした。

 540校、生徒約8万4000人に及んだ高校の履修漏れで、政府は、卒業が危ぶまれていた3年生に対し、50―70時間の補習を受けさせる救済策を決めたものの、問題が起きた背景や今後の対策について、何一つ答えを出していない。

 そもそも、高校教育で身につけさせる知識や学力とは何か。一流大学への進学率を競う高校教育の現実と学習指導要領との乖(かい)離(り)や、入試科目をより少なくし、受験する生徒の確保を目指して生き残りを図る大学側の姿勢もある。

 どこをどう直していくのか。履修させる義務を果たしていなかった高校側を責めるのは当然だとしても、それだけで事足りるとは思えない。

 北海道滝川市や福岡県筑前町で相次いで起きたいじめによる子どもの自殺。担任の発言がいじめのきっかけとなったり、教育委員会がいじめを訴える遺書を伏せていたり。教育現場がここまでゆがんでしまったのかと暗たんたる気持ちになるが、真正面から真っ先に取り組むべき課題であることは間違いない。

 二つの問題をきっかけに、文科省、教育委員会、学校の役割や権限の見直しの必要性も指摘されている。

 「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことなどを盛り込んだ教育基本法改正案の論議は、こんな厳しい現実を前に、陰に隠れてかすんでしまった。先の国会と合わせ審議は、約80時間に達し、十分審議を尽くしたとする与党側の主張は、果たして通じるだろうか。

 国民の関心は、学校現場の問題をどう解決していくかであり、今、与野党対決のもとで、教育基本法改正案を成立させる時機ではなかろう。8日に仙台市で開かれた地方公聴会でも慎重審議を求める声が多かった。法改正ありきではなく、全国各地で多くの人から教育現場の実態を聞いてほしい。

2006年11月11日土曜日



>現代社会に巣くう“病理”


あんたらメディアの功罪も大きいことを自覚すべし。

自国民の拉致被害よりも「報道の自由」を追求するその偏屈な主張、放送法に基づいていると認識しておきながら、「感情」で反対記事を書く愚かさ。中国や朝鮮半島人と思考回路が似てる。