水谷建設(三重県桑名市)事件の関連捜査で浮上した福島県発注工事の談合疑惑で、東京地検特捜部は3日、県建設業協会会長を務めた佐藤工業(福島市)の会長(66)を参考人として事情聴取した。

 会長は、県工事で地元優先発注などを働き掛けてきた業界のまとめ役。
 関係者によると、県発注工事の入札に参加した複数の建設会社は、特捜部の調べに談合を認める供述をしたとされ、会長も県工事の入札実態などについて、説明を求められたとみられる。

 捜査対象の県北流域下水道整備事業をめぐっては、同社と共同事業体(JV)を組んで2004年度の工事を受注した東急建設(東京)の東北支店長が8月、談合の事実を認めた後に自殺した。

 同じく捜査対象の地域高規格道路「あぶくま高原道路」(事業区間矢吹町―小野町)の入札では、同社幹部らが中心となって、県内業者による共同企業体(JV)をどう構成するかや各JVがどの入札に参加するか―などの調整に当たった。

 一連の談合疑惑では、佐藤栄佐久知事の支援者の会社社長(59)が介在していた疑いも浮上。特捜部は疑惑解明に向け、今週中にも競売入札妨害容疑で関係者の本格聴取に踏み切るとみられる。

2006年09月04日月曜日




前日の記事です。


福島県発注の大型工事の入札で談合が繰り返されていたとされる疑惑で、東京地検特捜部は2日までに、県建設業協会会長を務めた佐藤工業(福島市)の会長(66)を参考人聴取する方針を固めた。会長は長年、公共工事の地元優先発注を県などに働き掛けてきた業界のまとめ役。特捜部は競争性が極めて低い同県の入札実態などについて説明を求めるとみられ、会長は3日にも聴取に応じる見通しだ。

 会長は1980年代から、建設業協会の要職を歴任。自治体の財政難などから公共工事が急減した2001年度に協会会長に就き、04年度まで務めた。任期中、介護事業など新規分野への移転促進を進める一方、公共工事の「地産地消」を訴え、国・県に対し地元優先の発注制度を強く求める運動を展開した。

 談合疑惑で捜査対象となっている地域高規格道路「あぶくま高原道路」(事業区間矢吹町―小野町)の工事発注で県は、地元業者が請け負えるように総延長36キロの本線工事を17工区(未着工区間を除く)に細分化。一般競争入札を回避できるように一回当たりの発注額を抑えるなど、地元優遇を徹底した。
 この結果、主要工事の競争入札の平均落札率が98.69%という異常な高さになったほか、県は随意契約を乱発した。

 特捜部は、全国的にも特異な県と建設業界の密接な関係や、業界内の受注調整の実態についても説明を求めるとみられる。

◎知事周辺の関与追及

 福島県発注工事をめぐる談合疑惑で、東京地検特捜部は週内にも競売入札妨害容疑で地元建設業者らの本格聴取に踏み切るとみられる。関係者によると、複数の業者が特捜部の調べに対し、談合を認めたほか、佐藤栄佐久知事の支援者が関与した疑いも強まった。

 疑惑は水谷建設(三重県桑名市)の脱税事件の関連捜査で浮上。特捜部は支援者らの役割を特定し、業界から知事周辺への利益供与がなかったかを追及するとみられる。
 関係者によると、捜査対象は、県北流域下水道や地域高規格道路「あぶくま高原道路」(事業区間矢吹町―小野町)の工事など。談合に関与したとされるのは佐藤知事の支援者で、知事の実弟(63)とも親しい会社社長(59)=郡山市=ら。

 下水道工事のうち、東急建設(東京)と県内大手の佐藤工業(福島市)の共同企業体(JV)が落札した工区の2004年8月の指名競争入札をめぐっては、東急建設の東北支店長が8月、特捜部の事情聴取に対し、談合を認める供述をした後、東京都内のホテルで自殺した。ほかの業者の任意聴取でも会社社長が談合に介在したことを複数の業者が認めたという。

 あぶくま高原道路の主要工事の発注では、県建設業協会幹部が県に対し、県内業者を対象にするよう要請。県内各地域の業者の受注機会を平準化するため、3社JVの構成や各JVがどの工区の入札に参加するかなどを調整したという。同工事では、水谷建設が複数の元請けJVから多額の下請け工事を受注した。
 特捜部は8月、福島県庁から発注関連資料の任意提出を受け、これまでに県やゼネコン、県内建設会社の役員、担当者ら多数を参考人聴取してきた。

2006年09月03日日曜日