ヘルパーを生業とする男の、福祉から学ぶ"生きるとはなんだ!" -31ページ目

ヘルパーを生業とする男の、福祉から学ぶ"生きるとはなんだ!"

福祉業に身を置いていて感じること。
食レポとかもして、生きることの喜びを自らに実感させようと思います。
あとは適当に。。。

初めて勤めた事業所では、ショートステイサービスをやっておりました。




親元を離れた経験を!とか、自立生活体験!という立派な大儀を掲げておりましたが、




実際は多くの利用者さんが知的障害の方で、保護者のレスパイトの目的でお預けされていました。



当の本人は、遊びに来てる感覚であったり、口うるさい保護者から解放されてのびのびと好きなもの食べたりお出かけして楽しまれてる方もおりました。




これで親子お互いがガス抜きができるんだったら、そこにショートステイの意義ってありますね。




もちろん、親が亡くなったとか、家族が入院しなければならなくなったといった、緊急性のあるケースでお預かりすることもよくありました。




こんなケースがありました。


40代ダウン症で知的障害のある男性利用者Aさんの緊急ショートステイ受け入れです。




母親はご主人を亡くしており、ダウン症の一人息子と2人暮らしでした。




母親は、80代。癌を宣告され、手術のため入院しなければならなくなりました。



今まで外泊すらさせたことがないという40代の息子。



40過ぎてから産んで恵まれた、たった1人の子宝。



障害があって産まれた我が子。


「私が育てなければ。私がいなくなったら誰がこの子を、、、」


そんな思いで、愛情を注ぎ必死に育てたことでしょう。



息子を預けに来た日、


「あんたちゃんということ聞くんだよ!」と、あれこれと厳しくしつけ。



本人は、

「はい、はい、、、、」


と、下向いて返事。


「言うこと聞かなかったら折檻してやってください!」


と言われました。笑。

当然折檻なんかできませんししませんし。


「いやいやいや笑。初めてのお泊まりなんで、楽しんでもらえることを1番に考えますね。」


と伝え。


入院と手術の日がまだ決定しておらず。


「もし、手術の日程次第では、ショートステイを1日でも早く終わらせて、一緒に暮らす日を1日でも設けたいです」



そう言って、母親がショートステイ室を出ていくと、


その息子、、、


扉を閉めて「くくくくっ、、」と笑い出し。


さっきまで下向いて暗い顔してたのに、


「口うるさい親から解放されたぜベイベー!」


と言わんばかりのハッスルぶり。



食べたい献立を料理本から決めてもらい、一緒に買い物へ。一緒にご飯食べながら、テレビを見て。


非常にのんびり過ごせたようで。


翌朝、彼はショートステイ室のある建物の上のフロアで就労継続支援B型の作業所に通所。


その日のお昼休み、作業所の職員が、Aさんがいない!と大騒ぎ。


館内を探してみたら、食事をショートステイ室に運んで1人で食べていて。


よっぽどショートステイが良かったらしいんです。



数日後、母親の手術の日程が決まったことで、1日早くショートステイを切り上げてほしいと連絡がありました。


母親は、1日でも多く一緒に息子と過ごしたくて、入院するタイミングについて病院と相談したようですね。


母親が、息子を迎えに作業所に行くと、、、



息子は、、、


「帰らねーヨォォーーー!うるせぇー!!!馬鹿野郎ぅ!!!!」


と、泣き叫びながら柱にしがみついて離れようとせず。



母親は一緒に帰ろう、、、


と、何度も声をかけて説得していました。



その母親の寂しそうな声が今でも忘れられません。



80代の母親の躾は、やり方はどうあれ、本当に必死に愛情たっぷり注いで育てたはずです。



息子からしたら、口うるさい親から初めて解放されて楽しく気ままな生活をおくれたのです。


このすれ違いの切なさ、今でも思い出した時に目が潤みます。


私の母親も口うるささは物凄くて、こちらがノイローゼになりそうなくらい。

正直、自分の母親と重なるところもありました。



親孝行しないとなぁって改めて思います。