和田基地のブログ

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主に競馬関係の雑談です。

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またしても世界の頂に届きませんでした。
昨年とは全く違う形となった2着という結果。これを日本のホースマンは重く受け止めるべきでしょう。
レース内容に関しては他の方が私よりも深い考察をしてくれるでしょうから置いておきます。
ただ素晴らしい走りを見せてくれたオルフェーヴルとキズナ、手綱を取ったスミヨン騎手と武騎手、そして両陣営には心から御礼申し上げます。



さて、私は今回非常に憂うべき結果と考えていますが、それは何故か。
欧州スタイルではなくまさに日本スタイルの競馬で負けたからです。

いつから今の傾向が始まったのかはわかりませんが、少なくともここ十数年の日本競馬は瞬発力とトップスピードの向上に努めていたように思います。
オルフェーヴルとディープインパクトはまさしくその方向性におけるトップホースでした。
特にオルフェーヴルの一瞬の加速力とトップスピードは世界でも最高峰と考えていましたが・・・
昨日凱旋門賞を制した名牝トレヴはその瞬発力とトップスピードでオルフェーヴルを圧倒し、5馬身差の圧勝劇を演じました。
日本近代競馬の結晶は粉々に砕かれたのです。

これまで私は何十年と前から日本競馬は世界に劣らぬレベルだと考えていました。
ただ昨日のレースはその考えを改める必要性があることを示しています。

何故凱旋門賞を勝てないのか

ヨーロッパと生産において差があるのか、それとも調教において差があるのか。
情報が不足しているためまだ考えは纏まっていませんが、今後は過去との比較も含めつつ考えていきたいと思います。
とみすけさんとの議論であやふやだった部分も纏まってきました。
ここで私の主張をまとめておきます。

まず素質レベルは競走成績から判断することはできません。これは幼駒から見てきた関係者がある程度判断できるくらいのものです。

そして素質レベルが違えば成績から調教技術の向上を証明できないので、理論的に同レベルになるであろう〇外と考えました。

まず何故〇外は理論的に同レベルになるのか。
それは先にのべたよう素質レベルを判断できるのは幼駒の頃から管理していた牧場の人であり、その人物が関わってこない〇外は素質レベルを判定できないわけです。
もちろん馬体や動き、血統から判断できることはあるかもしれませんが、〇外で好成績を残している方の実績を見るとそれほど高い相馬眼を持った人物がいるとは考えにくいですね。
優れた相馬眼をもった人間を仮定すると、それに見合った実績を残していなければなりません。
そして現実にそういった実績を残している方はおられないので、つまり優れた相馬眼の持ち主はいないということです。

しかしふと気付いてしまったのですが〇外は88~12までですら五千頭しかいません。
八千頭からの世代間ですらレベル、G1馬の数なんてブレるのに、五千を東西で割ったら当然レベルがブレまくってしまいます。

というわけでデータを使う事は出来ません。
じゃあ後は坂路調教と平路調教の仕組みの違いを考えるしかないですね。
ト―シロの私がうだうだ語るのもあれですが、一応やってみます。
坂路調教についてはここを参照にしてください。
単純に書くと

坂路

・後駆により筋肉が付きやすい

・ピッチぎみの走方になる

・短期間の強い負荷と休息を繰り返す反復トレーニング


これに対して

平路

・前駆に筋肉が付きやすい

・コーナリングや手前変化などの訓練になる

・休息を挟まない持続的なトレーニングとなりやすい


まず筋肉についてですが、要するに走る場所に適応した筋肉が発達するわけでしょう。
で、競馬場のコースは半分以上平路か下り坂なわけで、上りに特化した筋肉がついても別段有利になるとは考え難いですねえ。

次に坂路で調教をしているときピッチぎみで走るということですが、これはまあ先と同じでその場に応じた走りにならざるを得ないのでしょう。
能力向上に貢献しているとは思えないです。

最後に反復トレーニングと持続トレーニングですね。
これは専門家にどーぞとしたいところですが(笑)

まず反復は人間の場合スピードやダッシュ力を鍛えるトレーニングです。
それに対し持続はまんま持久力の向上を目的とします。
問題はサラブレッドにとってどちらが重要かという点に帰着するかなあと。

サラブレッドにとって人間の短距離戦のような瞬間的なスピードは必要ないというのは読んだことがあります。
簡単な話人間は100mを一息で走りますが、サラブレッドは最短1000mでとても一息で走れる距離ではないですね。
多く道中のペース配分で勝敗が決するのはそういうことです。
となるとたとえスプリンターであっても持久力が重要という事になります。
ならば持続トレーニングの方が必要な訓練と見ることはできますかねえ。

総合すると、どちらが良いのかはわからないものの、敢えてどちらを選べというなら私は平路調教を押します。
まず調教技術ですが、ここではもっとも大きな変化であるトレセンの導入とそれに付随するウッドチップ坂路について考察します。

栗東トレーニングセンターができたのは1969年、美浦トレーニングセンターができたのは1978年
栗東に坂路が導入されたのは1985年、美浦に導入されたのは1993年

とりあえずこれを踏まえて考えるとします。


しかしこうも建設時期がずれているのは非常にありがたいですね。
同時期にできてたら考察するのは非常に難しかったのですけど、これならある程度データを使う事が出来ます。

まずトレセンですが・・・とりあえず東西最強馬決定戦である天皇賞(春)と有馬記念を見てみます。

           56~70    71~80    81~87


          東  西    東  西     東  西


         

天皇賞(春)   13  2     6  4      6  1


有馬記念    13  2     7  3      4  3


まず見てもらうと分かるようにひどい東高西低時代が続いています。
しかしこれは調教技術の差ではなく馬の素質の違いというのは分かって頂けるかと思います。
ちなみに87年までで区切ったのは後述する坂路のことがあるからです。

もう一目瞭然ですが栗東にトレセンが出来てから明らかに関西馬の成績が向上してます。
これ以上は言えることがありません。
本来なら別の角度から検証する必要があるのですが、他にデータがないので出来ないです。
まあ付け加えるならトレセンが関西にできたことでこの10年は預かる馬の質も上がったと思います。見た目ほどトレセン効果があるわけではないかと。


次は坂路ですね。
よくいわれるのが今の西高東低を生み出したのは坂路であるという話を聞きます。しかしビワハヤヒデを担当した濱田元調教師がコラムにて、「調教師の驕り」と述べています。
詳しくは下記のURLから読んで戴くとよいのですが、今の状況は東高西低時代に美浦では調教師が踏ん反り返り、栗東では馬主に頭を下げて良い馬が回ってくるよう努力した結果とのことです。

http://column.keibalab.jp/umagoya/056.htm

濱田氏は栗東に調教設備の優位性があると考えている事を加えておきます。

で、馬の素質の差っていうのは厳然としてあるんですけど知ることは出来ないわけです。
トレセンのところに書いたよう設備が良ければ集まる馬の質も良くなります。結果成績は良くなりますけど、それが設備の良さに起因しているとは言い切れないわけです。
ただトレセンが出来た頃のデータは満足に採集できませんでしたが、坂路に関してはそこそこデータはあります。

まずJC。
日本馬の成績の向上を調教に求める方も多いですね。
しかし東京競馬場の改修以前をみるとそれほど日本馬の成績が伸びたという訳ではないのです。
たしかに第一回JCは悲惨な結果でした。でも初期のJCでは国内馬間の比較で言ってもおかしな結果が多いです。
これはおそらく当時創設されたばかりのJCを重要視する陣営が少なかったのだろうと思います。
事実同じノーザンテースト産駒で同じレベルの調教を受けたダイナアクトレスとアンバーシャダイを比較すれば分かると思いますが、比較的低レベルの外国馬メンバーに屈しミスラディカルにすら肉薄されてしまったアンバーシャダイ。
それに対しそこそこの水準にある面子に交じって3着したダイナアクトレス。
両者の違いは間違いなく陣営の本気度にあると思います。
また勝ち馬であるシンボリルドルフ・カツラギエースは言うまでもなく、ホワイトストーン・ロッキータイガー・キョウエイプロミスなど坂路調教を受けなくとも走る馬はしっかり走っています。
2000年前後に勝ちが集中しているのも90年代前後に負けが集中しているのも偶然と見ていいと思います。
そもそも国内のトップクラスと海外のトップクラスがやり合うのだから、ホームの利こそあれ勝ち続けるなんて有り得ないですし競馬の勝ち負けなんて一時の運で決まりますから。
まああえて理由を付けるならアメリカ芝の低調・南半球馬の不在・出走頭数の相対的な減少なんかが挙げられると思います。

まあJCでの坂路調教馬の優位性は見られませんでした。
で、もうひとつデータとして見ておかなければならないのは〇外の成績です。
なぜかといえば〇外に関しては上のコラムで述べられていたような人間関係によって馬の質が変化することはないからです。
無論実際にまったく同レベルという訳ではないでしょうが、理論的には同じレベルに収束するはずという貴重なサンプルです。
でこれが面白い事に美浦と栗東、G1馬の数が同じなんですね。
これはまあ今の東西格差に坂路は関係なく、JCの成績を鑑みても少なくともG1クラスにおいて坂路の影響は少ないんじゃないかと考えられるわけです。
そもそも現役トップトレーナーは美浦の藤澤調教師ですし、栗東の坂路によって開いた格差が美浦に坂路が出来たことによって少しも改善されないあたり別な原因があることは明らかでしたね。