競争相手は、時に協調者となることもある。


しかし、協調者は、同業界とは限らない。




例えば、大学について考えてみよう。


競争相手は、他大学や、何らかの教育サービスであることは容易に想像できる。


それでは、補完的生産者とは誰になるだろう?

(補完的生産者の作り出す財によって、顧客はより大きな価値を得ることができる)


他大学との共同研究やより高度な教育を生み出す点において、他大学は、競争相手でありかつ補完的生産者でもある。


また、大学近隣の住居(不動産屋)、レストラン、コピーショップが想像しやすいだろう。

生協による種々の割引も、補完的なサービスといえる。


これら補完財によって、大学の顧客の1つである学生は、大きな価値を

得ることができるのだ。





補完財を、自社みずから作り出すこともある。


有名なのは、ミシュランである。


ミシュランは、元はタイヤメーカーであるが、車をより普及させるために、ミシュランガイドを作成したのだ。


ミシュランガイドによって、車でレストランまで遠出する人々が増えれば、タイヤメーカーであるミシュランも儲かるということだ。



身近な例では、駐車場だ。


町の中心部の商店街には駐車場がないために、郊外のショッピングセンターに顧客が奪われるということもおこる。

他には、自動車産業における保険、ローン、部品の保障もそうだろう。

かつて自動車会社は、自ら信用組合を設立し、自動車ローンをやり易くしたのだ。ローンがやり易くなったおかげで、新車販売が伸びた。

実は、高速道路も補完財である。アメリカではおよそ100年前、GMなど複数の自動車メーカーが高速道路建設促進のためにロビー活動を行い、自ら高速道路建設を行った。




特定の産業を活性化させるためには、

何らかの補完的生産者が必要だといえる。


パイを大きくするためには、新しい補完財をつくりだすか、

既存のものを補完財としてうまく使うことが必要だろう。