細部まで鮮明な幻覚そして「心ここにあらず」の状態、それでも自分の意識がおかしくなっているとは夢にも思わない。
時間も空間も不連続・不調和というおかしな状況でも自分は目覚めていると疑いもしないし、自分の五感も信じている。もちろんそれらに伴う情動も。
普段、妄想や思い込みがないのに幻覚に陥るのは簡単なことではない。
しかし、幻覚がなくても妄想・錯覚状態に陥るのはそれほど珍しいことではない。誰でも「猜疑心」を持っている。そうした正常な範囲の猜疑心が恋人や同僚や政府機関あるいは自分などに対してありもしないことを思い込んだり、必要以上に大げさな反応をしたり、といった状況に追い込むときがある。
当人は話を作り上げるという形でそれに対応する。当人にとっては嘘ではなく、あくまでも誤った思いこみ。記憶や想像にあいた隙間を埋めるために話をとんでもない方向へ展開していく。
うつ等の精神疾患をかかえている患者は思いこみや情動が激しく一度思考が傾くとどんどん転がり落ちて自力で立ち直ることが困難になる。
同じく夢でも一度恐怖を感じると、どんどん恐ろしい展開になって、一発逆転なんてことはなかなか起こらない。
もしかしたらうつ等の精神疾患とは現実に夢が混じった状態なのではないか?