八 百 五 十 六 夜 | 愚  者(逆位置)  ノ  足  跡 ・ ・ ・

愚  者(逆位置)  ノ  足  跡 ・ ・ ・

タ  ロ  ッ  ト  仕  掛  け  の   セ  ン  ス  オ  ブ  ワ  ン  ダ  ー

カ ゼ  デ ン ワ
~10ノ孤独の愛 10ノ孤独ノ夜~

【風の電話】
岩手県大槌町にある「もう会えなくなった人とコチラを繋ぐ心の電話」だ。
大槌町に住む庭師の男性が、震災から1ヶ月後に自宅の庭に設置したのだという・・・

愚者がこの電話の話を知ったのはつい最近のことだ。
自宅から大槌町までの距離は300キロ、思いつきで行ける距離ではない。
しかし、世界でたった一つの電話ボックスを見るためなら、そんな旅行も悪くない。


前日夜からの移動で距離を稼ぎ、早朝に大槌町に着いた。
町内のコンビニで朝食を購入がてら、風の電話について尋ねてみた・

店員 「キリキリの方にあるんですよ」
愚者 「? ? ?」
店員 「地名で吉里吉里って書くんです。大槌の入り口です。」


ボロのカーナビだが、吉里吉里は示す。
現地の方に何度が聞いて、徐々に範囲を狭めていく。

愚者  「风手机定位?」
男性  「それなら郵便局を曲がってすぐ・・・看板出てるから」


ココにあるのか?
とりあえずよそ様の庭に踏み込むんだし、挨拶はしておかないとね。
インターホンを押してみたが反応は無い・・・


ネットからインプットされた画像と同じものを見つけた。
あれが「風の電話」なんだね。


設置者からお咎めがあっても、何とかなる。
とりあえず接近しなくては・・・


接近して、そのドアを開けてみた。


「静かに目を閉じ、耳をすませてください。風の音か又は波の音か、あるいは鳥のさえずりが聞こえたなら、あなたの想いを伝えてください。」


今の愚者は誰と話たいかな~
父方の故人とは話したくないし、バンド仲間だったナオキと話すのもまだ早いな・・・
線の繋がってない電話に自分の携帯番号をダイヤルして、こう想った。

「○○(愚者の名前)まだまだやれるだろ??」