くそ!なんだこれは!
完全に失敗だ。選択肢を間違ってしまった……。



帰りの満員電車の中、ドア付近を陣取ろう列の最後尾についたのが間違いだった。



電車に乗れて、ドア付近も陣取れたのはいいものの、満員が故に身動きがとれない。



よし!!



思ったのもつかの間、俺の隣の女性が体勢を整えようと、こちら側に振り返った。



超至近距離で向かい合う形に!!

くそ!こいつそう来やがったか!!


何てことしてくれるんだ!
電車込み合ってるし、たまたまそうなったのも分かるんだ。

分かっているんだ!!



だが……気まずい!
しかも、こっちを見てる。あきらかに、こっちを見ている!


視線を感じる。だが、ここで顔を上げてしまったら……

俺の負けだ!!!




くそ!何でこんな時に、バックに本が入っていない!


この気まずさから逃れないじゃないか!



お!?何やら取り出したぞ!!携帯か?携帯なのか!?


頼む、お願いだ!そのままイジりはじめてくれ!



なんでこんなことで、葛藤しなきゃならないんだ!


考えるな、余計なことは考えるな。


そうだ、素数を数えよう。