Prologue
今、何をするべきなのか。
何を考えなくてはいけないのか。
何が求められているのか。
その為に私にできることは何なのか―――
「将来の夢は…―――」
『10年後の私へ 当時12才のわたしより
10年後の私に聞きたいことがあります。
10年後ということは中学も高校も終わっているけれど、
その中でシノより仲のいい友だちはできましたか?
中学・高校時代は楽しかった?
あと、12才のわたしはまだ決めていないけれど大学はどうしたんですか。
話は変わって、今一番楽しいことは?12才のわたしは一輪車がいま一番楽しいです。
たのしいことを「いっぱい」見つけて楽しい人生を送ってね。』
一部
【自分史。
どんな形態がいいだろうか。
年表のように書いていくのが普通だろうか。】
【教科書のように書き進めていくのも面白いかもしれない。】
【写真を入れて図説のようにするのも一つの手だ。】
【ただそこには問題が生じる。
客観的にだらだら書いていっても私の人生は面白くない。
普通に幼稚園、小学校、中学校、高校と過ごしてきた。
ここで重要になってくるのは思想面、心理面だ。
じゃあ教科書のようにするのは頂けない。
悪くないアイディアだとは思うけれど、相応しくない。】
【ではどうしよう。】
【断然小説のように、感情の変化を追って書いていくべきだ。
課題には「自分史を作りなさい」としかない。
枚数制限もない。
この条件をフル活用しなければ。】
【この気持ちは旅行の始まりの時の気持ちに似ている。
ふわふわ、ざわざわしていて不安と期待が半分ずつ。
旅行しようという決断、つまり書き始めようとした決断が正しかったのか不安だけれど何かいいことが起こりそうな期待。】
【多分そのギャップがこの感じを引き起こしているのだ。】
【潤滑油はただ一つ。
とにかく旅に出てしまうこと。】
【つまり書き始めること。】
【パソコンを起こして電源をいれてキーボードに手を置く。
考えていることを打ち込む。】
【自分史。
どんな形態がいいだろうか。
年表のように書いていくのが普通だろうか。
教科書のように書き進めていくのも面白いかもしれない。
写真を入れて図説のようにするのも一つの手だ。】
【いいや、小説のように、しかも入れ子式に。
同じ枚数で二倍の時間が流れるように。】
【今、私の歴史が始まる。】