八月十日 正午過ぎ
新橋駅 降車

プラットフォームに
降り立つと同時に
熱気が肌を押す。

遠く太陽から輻射された
手のひらが、その体温を
人工物と高め合い、
駅舎と車体の隙間から
這い入り、
発動機の熱を巻き、
私の腕を掴む。

流石、太なる陽の長。
その愛は遍く、隈無く、
押し付けがましい。

お陰で、我が身の在処を
確認は出来たが。


しかし、我が精神は
どこに在るか。

己が溶け出す夜では無く、
真昼の影にそう思うとは。


思うに、今、
精神の在処は
このレールの先だろう。

そして影に思うのが
私の心ならば
これが向かう先は
明るい陽向だろう。


影、陽向に。

軌道の先に。