こう何度か色素の話を書いているのでもうおわかりだと思いますが、
濃い色素は抗酸化力を持っている、ということですね。
緑黄色野菜がすすめられるのは、ビタミンが豊富だからというだけでなく、
色素が活性酸素の害をふせいでくれるから。


ここで何度も触れているエリカ・アンギャルも
「美女には濃い野菜が必要」と強調しているのはこのためです。


で、今日の濃い野菜。
イタリアンには欠かせないトマトです。


もう最近は有名ですが、トマトの赤い色素は
リコピンという抗酸化物質です。


リコピンの抗酸化力はβカロテンの2倍、ビタミン
Eの100倍にもなるといわれています。


しかもリコピンには、

・血糖値の上昇を抑える
・過酸化脂質の発生をふせぐ
・美白効果も発揮

などの幅広いはたらきがあります。


リコピンは脂肪と一緒にとるほうが吸収率が高くなるので、
オリーブオイルとトマトを使ったパスタなどは
リコピンの吸収には適しています。
何年か前に流行ったダイエット方法に、
「キャベツダイエット」というものがあります。
食前にキャベツをたくさん刻んでノンオイルのドレッシングをかけ、
たくさん噛んで食べれば満腹感が増すのでダイエットできる、
という方法だったんですが、
これと似たようなダイエット方法が食材を入れ替えて話題になります。


知っているところではりんご、キノコ、さつまいも、トマト、こんにゃく…
もっと他にもあるかもしれません。


でも、いつも思うんですけど、
何でこういうダイエット方法って、ひとつの食材だけにこだわるんでしょうか?


何かを流行らせたい食品業界の陰謀?
なんてことはないでしょうが…


これ、要は食物繊維の豊富な食材を先に食べることで、
お腹を満たしてダイエットしましょうということですよね。
それなら何もひとつの野菜や果物にこだわる必要はどこにもありません。
全部混ぜてサラダにしたっていいはずです。


あえて名づけるならファイバー・ダイエットといったところでしょうか。
でもこれだとあまり流行りそうもないですね。


今後もいろいろな食材の名前をつけたダイエット方法が
でてくると思いますが、
「本当にその食材でないと、ダメなのか?」
ということを考えてみると、面白いかもしれません。
最近になって、野菜がとてもおいしく感じられるようになりました。
特に、昔嫌っていたようなピーマンや人参などです。
その代わり、肉も昔ほどは食べたくなくなりました。


単に加齢のせいだろう、といわれればそれまでですが、
これは意識的に食習慣を変えようと思って、
その通りに行動してきた結果でもあります。


日本にはイナゴや蜂の子を食べる地域もあります。
これは、そういう習慣のない人には気持ち悪いでしょう。
でも、イカやタコだって欧米人は食べないのです。


それらは結局、そういう習慣ができているから、
というのに過ぎません。
努力しだいで何でも好きになれるかはわかりませんが、
おそらく、変えられるものが多いのではないかと思います。


あと、私に限って言えば、栄養のことを調べ始めたのが
案外大きかったかもしれません。
こういうブログを書いている以上、好き嫌いが多すぎては
自分のアイデンティティと矛盾が生じてしまいます。
この食材は栄養が豊富ですけど、食べられません、
というのがいっぱいあったら、立場上変ですから。


…ということは、自分を変えるには、
変らざるを得ないような立場に自分を置いてしまえばいい、
ということも言えるのかもしれません。
料理上手になるには、料理を教えるブログを始めるとか。


結局知識というのは、人に教えて循環させるほうが
定着するものなんですよね。