今日は、マイケル・ポーラン著の「人間は料理する」という本の中からの話を書きます。

テーマは、「人と料理と火」について。ちなみにこのコラムを読んだ後は絶対料理がうまくなります。

まず、本の中で紹介されている学説 ハーバード大 リチャード・ランガム教授の学説なのですが、「ヒトは、料理で進化した」というものです。

第一に、人類の進化は、栄養価の高い食べ物を料理によって獲得し、その効率的な栄養吸収が他の動物に比べ劇的に脳の大きさを発達させたという仮説を説いています。通常、ほぼすべての動物はえさを生食でたべます。モノを生で食べるというのは大変時間とエネルギーを消費する行為で、栄養素をとりながら、同時に時間と多くの栄養分を消費してしまいます。これはすごく長い目で見ると動物の進化にインパクトを与える事象です。

  次に、料理をしてグループで食事を取ることで、ヒトは社会性を育んでいったという点です。

今 現代人にはこの習慣が深く身についており、「食事に行こう」という言葉が、多くの場合「コミュニケーションをしよう」と同意義で使われているのは、このような人類学的な背景にあるとランガム教授は説いています。

 そして、グループで食事を取ることで、ヒトが育んできた社会性、社会習慣は「分かち合う」「人の話を聞く」「順番を守る」「人との違いを受け入れる」「議論する」というようなことです。今、家庭での個食やながら食事が問題になっていますが、人類学的に解釈するとそれはヒトの退化を促すこういであります。われわれにとってグループでの正しい食事は、社会性の維持、人間関係の維持にたいへん重要なことであると理解できます。

 

 さて 次に「火」ついてですが、火を自在の扱うためにはヒトは非常に苦労しました。当初、ヒトは火をみるとオスがあわてて、おしっこで消しにいくという行為を長らく行っていたことがわかっています。その中である日、たぶんあるオスが勇気をもって食べ物を火中からひろったのであろうと推測されます。

 では、火が食べ物に及ぼす効用とはなんでしょうか?

 肉で考えるとわかりやすいです。肉をおいしく調理するには、2種類の状態をうまく作らないといけません。

 糖質のキャラメル化とメイラード反応です。肉の糖質は160度以上でキャラメル化していきます。また120度以上でメイラジンという糖とアミノ酸が結びつく物質ができます。

 これにより、甘み、アミノ酸の旨み、炭化により香ばしさなどの美味さにまつわる成分が出来上がるわけです。肉そのものは、ボイルよりも、焼いたほうが、味がよいことが多いのはこのためです。

 古代の人類もこういった味に偶然であったのでしょう。これに出会ってはもう古代のヒトも料理せずにはいられなかったと思います。

 

 最後に、この糖質のキャラメル化とメイラード反応は食材によって異なります。ですからこの現象が低い温度で発生する野菜などは低い温度をうまく使うのがコツです。例えば「中華は強火」などと、調理スタイルにこだわらず、一つ一つの食材のあった温度を気にして料理をしてみてください。圧倒的に料理が上達するはずです。