食べ過ぎの科学?(続編) | たべもの科学広報室

食べ過ぎの科学?(続編)

昨日 、水でも毒になり得る、と書きました。



だけど、私たちは日常的に水を飲んでいても、水のせいで病気になったということはないと思います。

(水のなかに入っている細菌のせいで・・なら病気もあり得るけど)




では、毒になるとはどういうことなのかはてなマーク



毒物を摂取すると、吐き気やめまいを感じたりすると思いますが、こうした「健康への悪影響が出る可能性」を「リスク」といいます。


そして、このリスクの大きさは、毒性の強さと摂取する量によって決まるのです。



リスク = 毒性 × 摂取量



強ーい毒性のものはごくわずかの摂取でもリスクは大きくなり、逆に弱ーい毒性のものはある程度の摂取ならばリスクはあまりありません。



水程度の毒性の強さ(弱さといった方がいいかも?)で健康に悪影響が出るようにするためには、普通の生活ではあり得ないくらいの多量の水を飲まなければいけません。つまり、水の健康へのリスクはほぼない、ということになります。



たべものに関連する強ーい毒性のものといえば、真っ先にボツリヌス毒素が挙げられます。


ボツリヌス毒素はボツリヌス菌がつくる毒で、神経性の食中毒を引き起こします。その毒性は最強レベルで、摂取量がごくわずかでもリスクは絶大です。




ボツリヌス毒素ほどではないけれど、毒性が強いものといえば、フグ毒やきのこの毒など。


さらに、それらほどではないけれど、タバコのニコチンや唐辛子の成分であるカプサイシン、茶やコーヒーのカフェインの毒性も強いほうです。




では、毒性が強いと思われがちな添加物や農薬は!?



率直に申し上げますと、これらの毒性はごく弱いのです。


現在、添加物も農薬も色々な種類が使われていますが、いずれもたべものに元々含まれる毒性物質と比べると、毒性は概して弱くなっています。



添加物や農薬はさらに、摂取量も制限されています。


例えば、農薬は作物への使用量や使用頻度などのシバりがあって、それを農家さんが守ることで、私たちの口に入る農薬の量も制限されている、ということです。



これをもう一度見てください。



リスク = 毒性 × 摂取量



添加物や農薬は、「毒性」の評価がされたうえで、「摂取量」が制限されているのです。 


その結果、リスクはほぼなくなっています。



添加物や農薬はこうしたリスクの管理がされていますが、普通のたべものに元々含まれている毒性物質にはそんな管理はされていません。





んーなんか色々と書いてしまいましたが・・


伝えたいことは、茶の残留農薬を気にするくらいだったら、茶に含まれるカフェインを気にしたほうがいいよ、ということです。

(そうだったのか)



より詳しいことはこちら をご覧ください音譜