世界最強の料理と云えば、中華でもフレンチでもなく、バスク語を話すバスク人が今でも独立分離を求める美食の桃源郷、フランスとスペイン国境のバスク地方の料理と断言出来る。現在もフランス側とスペイン側の双方のバスクに分断されているが、文化や料理は共通している。

そのバスク料理専門店が銀座の路地裏にあると訊き、流離の料理人セイジさんと一緒に勉強に伺いました。店名は、パイス バスコ(Pais Vasco)。スペインバスクのお店のようだ。

驚いたのは、この店の店長の個性溢れる、ご立派過ぎるお髭である。数年前にインドで遭遇した、ムンバイの縫製工場長のパイプヒゲに匹敵する破壊力を持つ。ヒゲの世界大会にも出場していると訊く。

バカラオ(タラの塩漬けの干物)のピルピルは、バスク地方の伝統料理であり、塩漬けの干しダラを長時間オリーブオイルで煮て乳化させ、旨味とゼラチン質を出す調理法です。とんでもない、有り得ない美味しさです。

新鮮なタコ・イイダコ・スペアリブ・野菜のソティーは、弾力抜群で、信じられない程の旨味に何度も即死させられました。

イカ墨パエリアは、スパニッシュ・ガーリック・マヨネーズのアリオリ(alioli)ソースと混ぜ混ぜして食べ尽くしました。信じられない旨味の暴力です。

カーボロネロ(黒キャベツ)という、初めて見るイタリア野菜をシェフが丁寧に教えてくれた。葉の裏がノコギリ状になっている。

【料理人シェフ・山田朋仙~バスクの食文化を伝えたい~】
1964年生まれ。16歳で実家のラーメン屋から料理人人生がスタート。その後、「ア・タント」などで働き、1996年からソレントの名店「ドン・アルフォンソ1890」(二ツ星)をはじめ、北はピエモンテから南はシチリアまで様々な場所で働く。2001年に三ツ星「マルティンベラサテギ」へ。韓国や軽井沢のホテルシェフとして働くが、その間もバスク料理レストランをやりたいと思い、2012年当店シェフに就任。
(2018年2月3日投稿)

パイス バスコスペイン料理 / 銀座駅内幸町駅日比谷駅

夜総合点★★★☆☆ 3.8