こんにちは。

しはいにんこと、北原です。

 

さて、前回はコンセプトを実現するマニュアルの作り方についてお話しいたしました。

本編では「マニュアルは必要」という前提でお話させていただきましたが、

マニュアルにマイナスイメージを持っている方もいらっしゃると思いますので、今回はマニュアルの本質についてお話します。

 

あるカフェに務めるアルバイトにマニュアルのイメージを質問したところ、

 

「決められたことだけやるのはロボットみたい」

「作業だけではおもしろくない」

「決め事ばかりで自由がない」

 

という答えが返ってきました。

このように、マニュアル=決められた作業と感じる人が多いようですね。

特にカフェのような業態では「自分らしさ」を大切にするスタッフが多いので特にそう感じるようです。

 

また、私の先輩コンサルタントから聞いた話を1つ。

あるクライアントの社長はマニュアル不要論者の1人だったそうです。

その社長の主張は次の通りでした。

 

「私達は感動サービスを目標としており、感動サービスを行うためには感性が重要ですが、感性は標準化できないので、マニュアルにできない。また、マニュアルばかりに頼っていいては突発的な事態にも対応できないでしょう。」

そして、スタッフには「心」が大事だと説いていました。

 

しかし、実際の現場に聞いてみると、

「社長が言っていることが毎回違うのでどうしていいかわからない」

「社長の言う心というものが具体的に何かわからない」

という答えが返ってきました。

そして実際の現場では、各々が独自の考えで営業を行っているので、やり忘れなどのポカミスが多かったり、提供時間にムラが出たりしていました。。

 

先輩はこれらの問題を解決するにはマニュアルが必須だと考え、なんとか社長にマニュアルの重要性を理解していただきたいと考えました。

そして社長にこのように言ったそうな・・・

 

社長、マニュアルは会社の叡智の結晶です。

 

う~ん。名言。

 

そう、マニュアルは今まで培ってきた会社(店舗)のノウハウを集結させた叡智の結晶なのです。

 

日々の営業で培ったノウハウはかけがえの無い財産です。

しかし、見える化(形式知化)されていなければ、いずれ失われ、人が変わるとパフォーマンスが大きく変わることになってしまいます。

そこで、マニュアルとして見える化し、継承していくのです。

 

マニュアル化は暗黙知の形式知化とも言えます。

これがマニュアルの本質です。

 

 

 

 

前回、マニュアルはサービスコンセプトを具現化するために作成するというお話をしました。

サービスコンセプトも、マニュアルに落とし込めなければ暗黙知で終わってしまい、実現することが難しくなります。

サービスコンセプトを形式知化することで、コンセプトの実現性を高め、後世に引き継いで行くのです。

 

そして前回お話したように、マニュアルをブラッシュアップし、新しい価値を生む。

かのトヨタ自動車も、熟練の職人の技を後世に伝えて新しい価値を生み出すために、匠プロジェクトを行っています。

 

今回のお話が、マニュアルに対するパラダイムシフトなれば幸いです。

 

本日もお読みいただきありがとうございます!

 

こぼれ話

上述した「ロボットみたい」言っていたカフェのスタッフには、

「マニュアルではなくスタイルだ」

と言いかえたらすんなり受け入れたようです。

モノは言いよう?笑