カジュアルダウンといえば、ファッション用語だが、これが飲食やサービスの分野でこれから増えてくるだろう。
「カジュアルダウンは、日常着、ビジネスユース、おしゃれ着など、フォーマルでない、いつものファッションに、わざとカジュアルなテイストを加えて装いの格を下げる着こなしをいう」
(all about より引用)
仕掛け側も、それを感受し表現する側もセンスが問われる。
選択の基準は、値段ではなく、その人の価値観やライフスタイル。
ベースはシンプルへの回帰+セルフプロモーション。
飲食でいえば、ベタおしゃれスタイル。オーセンティックではないビストロやイタリアンバール。トラディショナル居酒屋ではないネオ・イザカヤ。
サービス分野でも、カジュアルダウン現象が起きはじめた。
エステといえば高級というイメージから脱却。
いろんなサービスを使いこなせる値段設定。
そんなコンセプトで登場したのが、銀座松阪屋の“お手軽エステ”「エステワールド」 らしい。
近くにH&Mが出来て、このあたりの客層もカジュアルダウンしているという。
10分で1890円。
飲食の強力なライバルになるような気がする。
カジュアルダウンは、一種のマーケットの“価格破壊”。
しかし、それは新しい消費者欲求への対応でもある。
どうやら、そのコアをなしているのは、“ポスト団塊ジュニア”世代の20代前半から半ばらしい。
パソコンマーケットでも、携帯電話でインターネットを覚えた彼女たちの世代が、台湾から来た「ネットブック」 (5万円前後のB5サイズのPC)を買い始めているという。
来年は20万前後の“フォーマルPC”は“カジュアルPCともいえるネットブックに取って代わられるという予測も出
ている。
飲食の分野でも、このカジュアルダウン現象を無視できなくなるだろう。
顧客にファッションの着こなしと同じような、“使いこなし”のセンスを提供できるような業態開発。
それが求められるだろう。
ベタおしゃれマーケットはますます、進化するに違いない。