昨日の表つぶやき で書いた「ダイバーシティ経営」論。

DDさんの成長の軌跡は、これまでの外食企業と違う。

どこがどう違うのか…。そう考えていたら、こんな記事と出会った。

ユニクロを急成長させたリヴァンプの玉塚氏の講演内容に関するもの。

以下に引用する。


この前、ミュープランニングの吉本さんから、

「外食もユニクロのような発想の企業が出てくれば変わるのでは?」

と聞いていたので、この記事はすぐに目についた。


リヴァンプ代表取締役・代表パートナーの玉塚元一氏が登壇。玉塚氏の前職は、ファーストリテイングの代表取締役社長。1998年に同社に入社し、カジュアル衣料ブランドの「ユニクロ」のキャンペーン展開や商品企画などを数多く手掛け、ユニクロブーム後、低迷していた同社の業績回復に貢献した立役者として知られる人物だ。ファーストリテイリング退社後は、インキュベーションや再生、事業継承など、企業を支援するプロフェッショナル集団であるリヴァンプを設立、現在も企業支援に携わり、企業が直面するさまざまな課題に取り組んでいる。そんな数多くの企業経営を経験している玉塚氏が、自らの体験を踏まえて語ったテーマは「多様性が企業を成長させる」だ。

「どうやって企業を活性化できるか? 共通項は必ずあるはず」と話す玉塚氏。そのポイントの第一は、経営理念や企業の哲学、ビジョンにあるという。「組織が何のために存在するのか。企業が何を目指すのか明確なビジョンがあってこそ、そのために個人が何をするかが定まる。組織とは何かを考えなければならない」(玉塚氏)。そして、次に大切なのは「顧客を基本にした正しい考え方」だ。「お客様が本当に求めているのは何か。肝を突いた正しい選択ができ、顧客のニーズに応える努力を続けている企業は強い」と、玉塚氏は話す。ユニクロ時代、さまざまなデモグラフィーで消費者の声を直接訊く調査に徹したという玉塚氏は「マーケティング会社では、お客様の"肝"がわからない。ずっと直接訊き続けることで、答えがわかってくる」と振り返った。

さらに、玉塚氏は「経営に秘策はない」と続ける。「正しい仮説を実行し、検証する、いわゆる"PDC"の繰り返し。それを続けて顧客のニーズに応え続ける中で、小さな成功がポツポツと生まれ始めて、そこを掘っていくと流れが変わり、企業のブレークスルーが起きる」という。また、「顧客に近すぎても局地的なことは見えても総合的に見られない。まったく違う業界の人たちが入ることで考えもつかない仮説が生まれることがある」と、ダイバーシティの重要性を強調した。

一方、企業の活性化には、強靭な経営基盤も不可欠だ。玉塚氏は「数字ベースで目標を立て、それを確実に遂行していくことが大切」と話す。さらに、有効なエッセンスとして「商品・ブランドに対する強烈なパッション」を掲げる。これまで、米国のハンバーガーチェーンのバーガーキングをはじめ、ドーナツチェーンのクリスピー・クリーム・ドーナツ、アイスクリームチェーンのコールド・ストーン・クリーマリーといった、人気店舗の日本進出の仕掛け人でもある玉塚氏は「そのブランドも従業員がそのブランドや商品を信じて本当に"おいしい"と確信して売っている」と話す。また、企業経営にとって重要なのは、"いかに自立型組織が構築できるか"にあるという。「自ら考えて行動する自立型の社員に対して、依存型の社員は他責傾向にある。そのどちらが経営にとって戦力になるか結果は明白だ」(玉塚)氏。


経営のプロとして、数多くの再生事業を手掛けてきた玉塚氏。資金制約が多い再生事業においても、人材投資は最も効果が高いものだと確信しているという。「企業としての土台を最初に正しておかないと、後からハード面をいくら強化しても意味がない」(玉塚氏)。

「現在、消費者市場は確実に縮小傾向にある。しかし、その一方でプレイヤーの数は減っておらず、むしろ増加している。さらに顧客のニーズは複雑化、多様化し、情報にたどり着くソースも非常に複雑化してきている」と分析する玉塚氏。そんな中、市場で生き残るために企業に求められる資質はやはり"ダイバーシティ"だ。玉塚氏は「みなが多様な意見を持ち、それを前面に引き出していかなければこれからの企業は厳しいだろう」と警鐘を鳴らす。

玉塚氏が経営の建て直しに成功したユニクロは、それまでNIKEなどのナショナルブランドの低価格販売をウリにしていた経営戦略から、高品質のベーシックカジュアルのプライベートブランドを作り出し、低価格で販売する戦略への大転換を図り、いまや世界市場を狙えるブランドにまで成長した。玉塚氏によると、この大変革もダイバーシティを抜きにしては語れないという。玉塚氏は「経営者の仕事はタコ壺のタコを引っ張り出すこと」と語った、ユニクロの柳井会長の言葉を紹介し、「ダイバーシティーとは、多様なものを入れながら、常に健全な議論をして核融合を起こすことだ」と、講演を結んだ。