神楽坂

8(木)、9(金)、10(土)はアッという間に過ぎたね。日々の雑事に流されていると、時は容赦なく早足で駆けて行く。片付けなければならない“荷物(締切りのある仕事)”が多いというのに、時だけが過ぎ、荷物はちっとも軽くならない。本当は、ブログなんて書いてる場合じゃない。でも、これを始めてから荷物そのものは減らないものの、その“棚卸し”はできるようになったかもしれない。8日は神楽坂にオープンした楽コーポレーション の最新店「椿々 」を視察。神楽坂といっても、かなり街から外れた場所にひっそりと居を構えている。目印は牛込消防署。前は蕎麦屋だったという2階建ての一軒家を改造、楽の店らしいスケール感はあるけど、小津安二郎の映画のようなローアングルからの“客視線”が映える造り。


個室



文春

おすすめの席は1階カウンターだが、この日は久しぶり(10年以上になるかな)に会うことになった文藝春秋 の編集者Oさんと最近東京に戻った北海道新聞の“コロンボ系”社会部デスクのSさん。濃いメンバーで、“硬派編集会議”になること間違いなかったので、個室へ(すでにS氏が先回りしてました)。たぶん、彼の取材手法だろう。会合の名目は、Oさんが週刊から月刊に異動になったので、それをお祝いしようということだった。『月刊文藝春秋』は私がいま唯一、活字雑誌で目次から奥付までまじめに目を通している雑誌。フリーの頃、郵貯問題とある大きな経済事件で二回仕事をさせてもらった。その経済事件を機に、私は硬派ジャーナリズムの世界と距離を置き、流れ流れて飲食業界に関わるようになったのだ。『文藝春秋』とも、もう縁がないと思っていたけど、Oさんから「食関係のネタはいま旬ですから、企画出してくださいよ」と言ってもらった。リップサービスとしても嬉しかったね。マジで企画出させてもらいます。“目指せ!印税年金生活”が私のこれからのテーマだから。


「椿々」の印象は、まだオープンしたばかりだから、あまりコメントしても意味がないのでやめておくが、2階のオペレーションは改善しないとヤバイかも。個室に座ると、オーダーしてもスタッフが来ない、スタッフが来てもメニューが来ない。3人ともドリンクの追加注文をしたのに、5分ほど“ノンアルコール”状態になったときは、ちょっとキレそうになった。ここに客人を連れてきた自分を恥じたよ。店の名前が「チンチン」なのだから、“チン、チーン”と鳴る風鈴とかを置いたらどうなのだろう。各部屋で音色の違う風鈴が鳴れば、風情もあるよね、…なんて思ったから、スタッフに言っておいたよ。それから、見送りがない。先回りして、表で待ち、客が見えなくなるまで見送りぐらいしてほしかったね。宇野さんの息子さんがやってる表参道の店は階段を先回りして、下で待ってたよね。でも、要はスタッフの素質と教育。いま店側も新人スタッフを育てている時期だから、また1ヶ月後に行ってチェックして来よう。



新宿CC


ゴルフ

9日は銀座で最近出てきている店舗物件をいくつか見てきた。コリドー街でまた出ましたね。もう50件以上申込みが入っているとか。「十勝屋」のときも、140件ぐらいの申込みがあり、結局、施設側が“郷土料理”コンテンツに絞り込んだらしい。今回も、また郷土料理系になるのだろうか?夜は新宿の職安通りにオープンしたばかりのゴルフバー「新宿カントリー倶楽部」の取材へ。カシェット のパートナー会社のグラフィックデザイン「UNDELETE」竹原さんから招待を受けた。竹原さんのクライアント、不動産のアムスグループの飲食部門の新業態。竹原さんの交友のあるトレンドの先生、木村和久 さんと飲食店なびのマコトちゃんと一緒。ゴルフ雑誌でも連載をもち、年間70ラウンドはこなしているという木村さんとガチンコマッチプレー。9ホールやってみましたが、韓国製のシミュレーション機械、すごく良くできている。微妙なショットのミスがリアルに画面に出るし、アプローチやパターも実践さながら、けっこう楽しめます。スコアも上がってみれば実力並みでした。木村さんとは2打差で勝たせていただきました。年齢が私のほうが2個上だったので、敬意を表していただいたのです、きっと。「新宿カントリー倶楽部」は6月末まで入会金無料、割引サービスもやってます。打ち上げはガールズバー「NANA」へ。木村さんと別れ、竹原さん、マコトといつもは高田馬場店でお世話になっている区役所通り「清龍」で〆。
ショット




リゴレット


リゴレット2

10日は六本木ビルズの「リゴレット バー&グリル 」レセプションへ。HUGE の新川義弘さん、今ノリにノッていますね。クリエイトレストランツの中華業態の跡に出来たこの店は、167坪165席(スタンディングスペース除く)の大箱。どちらかと言うと、元気がなくなっていたヒルズの5階、飲食エリアの最もいい場所で“新川旋風”を吹かせ、ヒルズ再生の起爆剤になるかどうか。隣には渡邉明さんの「Yasaiya-mei」がオープン。グローバルダイニングOBたちのスクラム組んだ戦いでもある。グローバルダイニング出身と言えば、この店をデザインしたSweetの佐野さん、ニッタビルのリゴレットをデザインした戸井田さん、二人ともグローバル出。レセプションでツーショット撮影。佐野さん、「私たちが新川さんとだんだんと大きな仕事を出来ていることを長谷川耕造さんに伝えたい。私たちたちが今あるのも、耕造さんのおかげなんです。“グローバルダイニング魂”は失っていません。耕造さんも、育てたのはオレだ!オレもまだできるよ!って頑張ってほしいんです」と切々と語ってくれた。たしかに、この日のようなレセプに耕造さんが登場し、OBたちを囲んで耕造さんと新川さんが業界人の前で握手する姿を見たいな…、なんて妄想しました。新川さん、次のレセプには耕造さんを特別ゲストに呼んでください!それがOBたちの声なき声のようですから。


佐野さん


二人

佐野さんと戸井田さん。サードGメンバーです


土曜の夜の〆は、麻布十番「レザンファン テリーブル 」へ。戸井田さんデザインの最新作だ。経営は「TSUKI」「クラブニュクス」グループのエスワイリパブリック。社長の原口さんは業界で有名、不二家創業家の方。旦那さんは代官山「レザンファン ギャテ 」のオーナーシェフ。ミシュランガイドの星を取ったフレンチ。「テリーブル」はその姉妹店。1階はカフェとバー、2階がダイニング。土曜はDJイベントも開かれる。ゴージャスだけど、アンティーク家具や照明が落ち着いた雰囲気を醸し出している。料理はフレンチ、ビストロ系。バーでも星レベルの料理を味わえるというのが嬉しい。「ギャテ」2番手からこちらに来た若い料理長が腕を揮います。繊細で美しい「本日の前菜」をいただきました。



料理