心にあるものを、表現するって難しくて、やっぱり僕は、表現者にはなれないって思う。
僕は、何度生まれ変わったら、表現者になれるんだろう。
何をクリアすれば、表現できるんだろう。
僕は、たくさんの素敵な表現者たちに出会ってきた。
ミュージシャンは、曲を作ったり、楽器を演奏したり、歌を歌って自分を表現して、内なるものを伝えようとする素晴らしい表現者だ。だから、僕もなりたいと思ったけど、僕にはそんな魅力はなかった。
アーティストは、絵を描いたり、物を創り出すことで、自分の存在を表現しているから、僕はものすごく憧れたけど、僕には手が届かなかった。
そんな素敵なミュージシャンや、バンドマン、役者や俳優や、作家に画家。
この世には、表現する手段はたくさんあるから、僕は片っ端から手を出しては、挫折を繰り返してきた。
いや、正確には、挫折までいく事もなく、あきらめてしまった。
僕には、そんな魅力も、才能も、カリスマ性も何もなかったんだと思う。
そこに強い情熱が存在していたかは、今となってはわからないけど、それなりに希望をもって、挑んできたんだと思う。
表現者は苦労してなるものなのかな?
努力は必要だけど、それだけではなれないよね。
僕は平凡な人間だから、きっと表現できるって事に憧れを抱くんだと思う。
平凡は、所詮何をやっても平凡な結果しか生まない。
それに気付かせてくれたのは、素敵な表現者たちだった。
どんな世界にいても、脚光を浴びる、スターとなる人間って、何かが違うんだと思う。
選ばれし何かを持って、生まれてきたんだと思う。
努力とは無縁の、何か。
なぜ表現したいのかって、自分でも考えるけど、きっと自分の存在を認めてほしいだって思う。
たくさんの人間がいる中で、自分の存在をより多くの人にしってほしいって、自己顕示欲が抜きんでているのかもしれないけど、僕はそう思う。
自分という人間が、つまらない、何の役にも立たない人間であることを、認めるのが恐ろしくて、悲しくて、耐えられないんだと思う。
僕にとって、そんな人間は死んだも同然だから。
もし、もう一度人生をやり直せるとしたら、生まれ変われるとしたら、僕に表現者としての人生を下さい。たとえ短い人生であったとしても、表現者として強い感動を残せるのなら、僕はその方がしあわせだから。
現世を生きている僕は、もう何も残せる事はないと思う。
悲しいけど、僕の人生は、永遠に憧れ続ける。
いつか、表現できる日まで、ずっと。