令和6年 天皇誕生日の2月23日、あずさ5号に乗って松本をめざした。
信州大四年生の姪が卒業するというので、その前にまだ訪れたことのない城下町松本を訪ねたのだ。
12月初旬に、松本市観光協会に連絡し、地図や案内を送ってもらい充分な下調べを行なった。
アルプスの雪が溶けた地下水脈が発達しており、きれいな水を飲める井戸が点在しているという。興味を持ったわたしは、何度も水を探しに数カ所の井戸に行くところをシミュレートした。
松本に着いたのは、10時40分。観光案内所に入る。ここには、swee(Shinshu Water for Ecology and Environment )という無料の飲料水が楽しめるサーバーが置いてあるアクアスポットがあるのだ。
ここで空のペットボトルに綺麗に浄化されている水をゲット。
お城口に出ると、タウンスニーカーなるミニバスが出ている。これに乗って旧制松本高校を目指す。有名な建物だ。
雪がちらついているが、松本の人は傘をささない。
そこから歩くこと1キロ半。
最初に訪ねたのは源智の水源地というところで、次に訪れた源智の井戸の水源となっている場所だった。
ぶくぶくと水が泡を作って沸いているのが見える。
松本の人は、こういった場所をとても大切にしていることが、察せられた。
水の音を聴きながら、細い小道をたどっていくと、その先には信州随一と江戸時代に言われた井戸があった。
源智の井戸である。
ペットボトルで水を飲む。厳かな気持ちになった。
時計を見ると12時だ。隣にある蕎麦屋で温かい天ぷらそばを注文した。
大人しか入っていない。混んでもいなければ空いてもいない、ちょうどよい雰囲気の店でたいそう気に入った。
天ぷらは季節の野菜で、とても美味だった。
その後も、井戸を訪ねて歩きまわった。
中町という蔵の街があり、古の風情を残した街で、はかり資料館というのを見たり、蔵シック館というのに入ったりして往時を偲んだ。
雪はまだまだ降っていたが、そうこうしているうちに予定していた井戸はすべて回ってしまった。
ホテルのチェックイン3時まで時間があったので、翌日姪と行こうと思っているホテルの喫茶室の下見をしに行った。
宿泊先のホテルの近くにある老舗ホテルで、松本民芸家具が当時のままの配置で置かれている、すてきなお店だ。
ケーキセットをいただいた。
そしてホテルにチェックイン。
荷ほどきをし、足を休めた。
四時半に姪の出演するライブを観に行くのだ。
ホテルからライブ会場までは歩いて12、3分。駅に近い地元では有名なライブハウスらしい。
会場に着くと、姪が向かえてくれた。
信州大学軽音楽部の皆が集まっている。若い。
場違いなおばさんが一人混じっているような気もしたが、それはそれ。この軽音楽部はロックだが、昔ジャズメンだった杵柄をもって、その場に溶け込む・・・・いや溶け込んだつもり・・・
楽しかった。いろいろなバンドがあり、それぞれ個性的だった。
姪は最後から二番目の出演。
彼女はドラムスを担当している。
姪のドラムスを叩く姿は初めてみたが、小柄な身体のどこからあんなパワーが出るのかというくらい迫力があって、かっこよかった。
打ち上げをする姪と別れて後、どうしても食べてみたかった松本名物山賊焼き、という鳥料理を飲み屋で食した。大きな丸のままのから揚げといった風情で、大満足だった。
少し胃がもたれたが。
ホテルへ帰って、風呂に入り、翌日に備え就寝した。