広島市社会福祉協議会主催の「成年後見制度市民講演会」に参加した。

講師は、弁護士の菊永将浩先生

 

男性の健康寿命は、72.68歳

女性は75.38歳

この年齢から、財産管理や身の回りの身体看護が難しくなる。

平均だからねぇ。

早ければ、私も対象になる。

 

「成年後見制度」には、法定後見制度と任意後見制度がある。

 

法定後見制度は、認知などの判断力低下の程度によって、

後見、補佐、補助の3段階があり、

いずれも、認知機能が衰えた後に制度利用する。

 

一方、任意後見制度は、判断能力が低下する前に仕組み作りをしておく制度で、大きく違う。

 

あらかじめ準備をしておき、自分が依頼したい後見内容に従って、

自分が依頼した契約の相手が、本人の援助をする仕組み。

依頼を受けた人は、

本人の判断能力が衰え、そろそろ出番だなと感じたら、

裁判所に任意後見監督人の選定を依頼し、

裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じる。

万が一の時のための保険的なイメージ。

 

法定後見制度は、

すでに判断能力がない場合に、

裁判所が後見を決定し、

多くは、弁護士などの専門家が後見人として選ばれる。

もちろん報酬が発生する。

 

原則として、本人のためにしか財産を利用できない。

 

一度、後見を開始したら、途中でやめることは基本的にはできない。

本人の健康状態が治って、判断能力があると認められることは、まず考えられないので、死ぬまで貢献してもらうことになる。

 

今の、この制度の一番の課題はここだ。

今日の中国新聞に、制度の改正を検討しているという記事が載っていたが、

制度改正までにはまだまだ時間がかかる。

 

銀行へ行って、現金を下ろすことができない。

年金すらおろすことができないので、

何が何でもすぐに後見を開始してくれと

急いで後見人の選定を依頼するが、

よく理解しないと、二度と引き返すことができない道に入り込むことになる。

 

注意したいのは、

家族が面倒を見るように、なんでも面倒を見ることを後見というのではない。

ということだ。

 

成年後見人の業務は、

財産管理

身上監護

家庭裁判所への報告

の3つ。

 

本人のためにしか財産を使わない。

ついでに身の回りの世話をすることはない。

 

財産保全が基本だから、

家族一緒に温泉旅行というのは、

本人の財産を減らす行為だ。

生きるために意義のある行為かというとそうではない。

判断力はないので、本人が行きたいというわけではない。

家族が望んだ温泉旅行で本人の財産を減らすという思考になることも考えられる。

 

預金を下ろし、日常のお小遣いを渡しに行ったついでに、

部屋の風通しをしたり、

掃除をしたり、

買い物をすることもない。

 

だから、

性急に成年後見制度を利用しても引き返せない制度では、

家族が日常するであろう身上監護を期待するとそうではない。

この部分が、この制度の大きな課題になっている。

 

制度を利用しなければいけない状況になっていれば、利用せざるを得ないが、

身体障害で判断能力が落ちている場合など、

親がまだ元気で、見守ることができる状態であれば、

法律改正の動向を見守ってから利用してもよいのではないか。

 

財産管理であれば、

長男を相手に「財産管理委任契約」を結んだり、

社会福協議会の「かけはし」の制度を利用したり、

 

身上監護であれば、

「見守り契約」を結ぶ手もある。

地域には、

「ふれあいサービス」で、日常の世話をしてくれるボランティアさんもいる。

 

成年後見制度は、

こうしたメニューの一つに過ぎませんよ。