賃上げからの物価上昇に向けた2年目の春闘が今日から始まった。
岸田総理や植田日銀総裁は、
今回の結果で経済の好循環への入り口としたいと考えているようだ。
昨年は、大企業を中心にベアアップがあったが、
まだまだ下請企業、外注先からの仕入値段には反映されておらず、
国民の7割を占める中小企業労働者にとっては、
賃金は低下したままの状態が続いている。
先日の広島商工会議所の
「2024年の景気見通し」(田村正勝名誉教授)の講演
でもこの部分が強調された。
2010年を100として昨年の実質賃金指数は91.1
家計消費は、2000年の117.0から91.0に30%ほど減少した。
日本の最低賃金は、7ドル。
オーストラリアの12.9ドル、フランスの12.7ドルだけでなく、
韓国の8.9ドルにも劣る水準だ。
なぜ、こんなことが起きるんだろう。
企業の利益は、最高水準を更新している。
株価、時価総額もバブル前水準をうかがう高額なのに。
すなわち、大企業による中小の買いたたきにある。
そうでなくても、
大企業は海外に進出し、円安の影響は受けない環境にあるのに、
中小の部品を低廉に抑えさせている。
中小は、海外に出る体力がないから原材料部品を円安下でも仕入れている。
結果として、労働分配率は66.3%に達し、硬直化している。
ここに、大企業優遇の雇用緩和が非正規社員の増加、正社員減少を引き起こし、
ここ20年で正規社員は500万人も減った。
春闘と言っているけれども、労働組合に入っているのは、たったの16.5%。
一部の大企業正社員の生活の話をしているに過ぎない。
中小は、輸入物価に悩まされ、非正規社員に頼り、外国人労働者に頼る。
このつけは、政府の福祉政策がぬぐわなければならなくなることが必至だ。
そろそろ気付いてほしい。
中小企業があるから製造業が成り立っていることを、
製造業が付加価値を生み、外貨を稼いでいることを。
臨機応変な仕様変更や新製品の製造技術を組み立てる支えに中小企業がなくてはならない存在であることを、
創意工夫と技術が途絶えれば二度と日本の産業は浮かび上がらなくなることを、
サプライチェーン全部のグループ企業で成り立つ仕組みになっていることを。