さあママ 町を出ようよ
激しい雨の夜だけど
仕度は何もないから
裸足でドアをあけるだけ
形見になるようなものを
拾うのはおよし
次の町では そんなものは
ただ邪魔になるだけ

いつもこうなることぐらい
わかりきってるものだから
必ず 町で一番
暗い酒場でママは待つ
こんどは西へ行こうか
それとも南
愚痴はあとから聞いてあげるから、
今は泣かないで

東の風が吹く頃
長距離バスが乗せて来た
あの人の黄色いジャケツ
それから先は
おきまりどおりに家をとび出した
遠い遠い昔のこと

何度も人違いをしたわ
あの人にはめぐり逢えず
旅から旅をゆく間に
顔も忘れてしまってた
それでも 旅を忘れて
悲しみを捨てて
ひとつ静かに暮らしてみるには
わるくなりすぎた

いつか東風の夜は
あたしの歌を聴くだろう
死んでも旅をつづける
女の歌を聴くだろう
片手にママと名付けた
黒猫を抱いて
暗い夜道で風を呼んでいる
声を聴くだろう

東の風はいつでも
長距離バスを乗せて来る
あの人の黄色いジャケツ
それから先は
おきまりどおりに家をとび出した
遠い遠い昔のこと

さあママ 町を出ようよ
激しい雨の夜だけど
仕度は何もないから
裸足でドアをあけるだけ
形見になるようなものを
拾うのはおよし
次の町では そんなものは 
ただ邪魔になるだけ

東の風が吹く頃
長距離バスが乗せて来た 
あの人の黄色いジャケツ
それから先は
おきまりどおりに家をとび出した
遠い遠い昔のこと

風は東風 心のままに
いつか飛んで飛ばされて砕け散るまで
だから

風は東風 心のままに
いつか飛んで飛ばされて砕け散るまで
だから

風は東風 心のままに




「流浪の詩」、・・・ タイトル通り女一人(+猫一匹)でさすらっている曲で、意外なほどにポップな曲調です。

しかし、歌詞からすると、風に吹かれて町から町へ自由気ままに動くというより何者かに追い詰められて町を逃げ出すような印象ですよね。

中島みゆきさんが言うところの「風」とは自由の象徴ではなく、良いも悪いも含めて自分を突き動かす運命のような力を指しているような気もします。

他にも「あの人」とは何者か、「黄色いジャケツ」とは何のことか、など謎や暗示が多い曲です。・・・が、考えてもわからなさそうなので解釈はあきらめました。(笑)




あのひとのママに会うために
今ひとり 列車に乗ったの
たそがれせまる街並や車の流れ
横目で追い越して
あのひとはもう気づくころよ
バスルームに ルージュの伝言
浮気な恋をはやく
あきらめないかぎり
家には帰らない
不安な気持を残したまま
街はDing-Dong
遠ざかってゆくわ
明日の朝ママから電話で
しかってもらうわ My Daring!

あのひとはあわててるころよ
バスルームに ルージュの伝言
てあたりしだい友達に
たずねるかしら
私の行く先を
不安な気持を残したまま
街は Ding-Dong
遠ざかってゆくわ
明日の朝ママから電話で
しかってもらうわ My Daring!
しかってもらうわ My Daring!



あのひとのママに会うために
今ひとり 列車に乗ったの
たそがれせまる街並や車の流れ
横目で追い越して

えっ、だんなはんの母親に会いに行くんか。

言いつけに行くちゅうことかいな。

彼もえらいことになったな。

まっ、自業自得やから、それもしゃあないけどな。

せやけど、あくまで、お姑はんやし、だんなはんを産んだ母親や、ちゅうのを忘れたら、あかんで。

彼への愚痴はともかくとしても、間違(まちご)うても、悪口を言いまくって、親の顔みたいわ、なんて言うたら、収まるものも納まらへんようになるさかいな。

あのひとはもう気づくころよ
バスルームに ルージュの伝言
浮気な恋をはやく
あきらめないかぎり
家には帰らない


えっ、なんやて、バスルームに、口紅で伝言を書いてきたんやてか。

バスルームやのうてダイニングに書いてきたら、これがほんまのダイニングメッセージやいうて…。

うん?、そうや、ダイイングメッセージのギャグのつもりやったけど、それが、なにか?。

まっ、そんな開き直りのオヤジギャグの出具合はおいといて、ともかく、バスルームからは、愛をこめなあかんもんやで。

腹たつからっていうのも、わかるけどな、せやから言うて、口紅、もったいないことするんやなぁ。

えっ、せやから、コンビニで買(こ)うた、安もんの口紅を使(つこ)うた、ってか。

しっかりしとるわ。

ほんで、だんなからプレゼントして貰(もろ)た、ブランドの口紅は、いまでも大事にとってるってか。

あほ!、あほやな~、男がおなごに口紅プレゼントするちゅうのはやな、その口紅を塗った口で、毎日、少しずつ返してぇな、ってことなんや、…って、言うてて、おっちゃん恥ずかしいわ。

せやけど、彼、浮気しよるようには、見えんけどな。

相手は、どんな娘(こ)か、知ってるんか。

えっ、女やない、て…か…。

あちゃ~、男かいな、おっちゃんはその趣味ないからよう分からんねんけど、相手が男やったらタチ悪いっていうからな…って。

えっ、男でもないってか、せやったら、オカマとかニューハーフとかかいな…、うん、女子より綺麗な子もいるからな…、えっ、違(ちゃ)う、違うってか。

なに、彼、今ごろになって、仲間とロックバンドを組んで、休みには、いつも練習に明け暮れてるってか。

ほんで、ほったらかしにされてるってか。

う~む、昔から、ゴルフ・ウィドウ(golf widow)なんて、言葉もあってな、夫が嫁さんほったらかして、ゴルフなんかの趣味に熱中してしまうちゅうことはあるわな。

せやけど、それは浮気とは言わんのんちゃう。

えっ、いやいや、かばってるわけやないんやで。

うん、いやいや、そりゃそうやけどな、浮気ちゅうのは…、いや確かに、気持ちがそこに移ってるいうたらや、浮気なんかも知れんけどな…。

いや、そりゃ、考えてみいや、別にワイシャツに口紅つけて、帰ってきたわけやないんやし、見慣れんパンツ穿いて帰ってきたわけやないしな…。

いや、そんな意味でいうたんやないんけどな。

おいおい、おっちゃんの体験ばなしとも違うで。

いや、そんな剣幕でまくしたてんでも…、なんが、わしが嫁さんに叱られてるみたいやな。

不安な気持を残したまま
街はDing-Dong
遠ざかってゆくわ
明日の朝ママから電話で
しかってもらうわ My Daring!

まあ、ちょっと落ち着きぃな。

でも、不安な気持ちも分からんでもない。

街がディンドンか、ドンドンか分からんけど、遠ざかってゆくのを見たら、彼との距離もなん遠ざかってゆくような気もしたやろ。

でも、それでも、My Daring!って、いまも思ってるんやろ。

ダーリン、好きだっちゃって、言うんやろ…って、え、あんまし似合わん言葉は使わん方がええってか…、ハイ、おおきにな。

そりゃ、よそ見いうたら、そうかも知れんな。

でも、彼がな、ダーリンがな、音楽に興味も持たんで、エレキーも弾かんで、ドラムも叩かんで、ごく普通の男やったら、魅力を感じんかったんちゃうかな。

平々凡々とした、ごく普通の暮らしのなかで、ささやかな夢を追うのもええんちゃうか。

仕事はきっちりしてるんやったら、もっと大きな目で、ダーリンを見てあげたらどないやろか。

いつも一緒にいることが、愛していることの、しるしってことでもないやろと思うで。

そりゃ、まあ、いつもそばにいてほしいって思うことは、分かるけどな。

それは、彼も分かってることやろうけどな。

でも、いつも、横に立っていて、べったりとしてぃな、あかんいうのも、どなぃやろかと思うで。

あのひとはあわててるころよ
バスルームに ルージュの伝言
てあたりしだい友達に
たずねるかしら
私の行く先を

そりゃ、あわてるやろう。

それに、だんなの実家に行ってるなんて、夢にも思わんやろうしな。

まあ、彼も、眠れぬ夜を過ごしてるやろうから、明日の朝に、すぐ電話してもろうたらええがな。

ほんで、お母はんに、電話してもろうた頃に、家に帰れるように、始発列車で帰ったらええやん。

昇る朝日を見ながら帰るのもええもんやで。

そう、朝日のような色の口紅つけてな。

えっ、おっちゃん、朝帰りしたことあるんかってか。

いや、まあ、そりゃ、若いときにはな。

えっ、それで、なにしてたんって…いや、そら、なに、まあ、いろいろあったけどなぁ。

おっと、これ嫁はんには内緒にしてや。

しかってもらうわ My Daring!

叱られるんかいな、しゃあないな。

けど、なんか、元気出てきたみたいやな。

そうそう、それでええんや。

せやで、元気と勇気ちゅうもんは、使えば使うほどに増えてくるもんやって、どこぞのだれかも、いうとったわ。

ここは、ほれ、奥さまは魔女、ともいうから、鼻ぴくぴく動かすか、バトンでも振るか、コンパクトでも覗いて、呪文でも唱えたらええやん。

マハリク マヤコン ゲンキ&ユウキ シャランラー、マエムキニなーれなんて、言うてぇな。

おっと、彼には、呪文やのうて、おっちゃんのメッセージを伝えてや。

バンドを組んで、やるかぎりはな、メジャーデビューを目指すくらいに、頑張りやってな。

君もそのバンドの横で、踊子になって、派手なギャザかフレアのスカート穿いて、ロックンロールして踊ったったら、ええやん、どや。

ところで、彼の名前、ジョニィとは違(ちゃ)うやろな。


この曲「ルージュの伝言」は、荒井由実さんの5枚目のシングルで、3枚目のアルバム「COBALT HOUR」にも収録されています。

いわゆる1960年代のロックンロールの曲調で、のちに、ユーミンのだんなさんとなる松任谷正隆さんの編曲センスと、山下達郎さんらの ドゥーワップのコーラスアレンジが見事にマッチしています。

1989年(平成元年)スタジオジブリの宮崎駿監督作品の映画アニメ「魔女の宅急便」のオープニングテーマソングとしても、リバイバルヒットしました。





電車が通るたび
なつかしくゆれる
チャーリーブラウンの店で
君を見つけた
赤いダウンパーカー
ぼくのともだち

あの頃君は
名画座の中で
いつもスクリーンの向うに
孤独を見ていたネ
赤いダウンパーカー
ぼくのともだち

そんなに悲しい
目をしてぼくを見る
昔にこだわる君の話
ぼくにはもう辛すぎる
赤いダウンパーカー
ぼくのともだち

弱虫で静かな君を
ぼくはとっても好きだった
君はぼくのいい友達だった
さよならぼくのともだち
君は少しの
酒に酔い
ぼくは君の淋しい寝息を
聞いている
赤いダウンパーカー
ぼくのともだち

何もなかった
ぼくたちの終りに
君と冷たい牛乳飲んで
声を出さずに笑った
赤いダウンパーカー
ひとごみに消えた


1980(昭和55)11月20日にリリースされた、森田童子さん6枚目のアルバム「ラスト・ワルツ」の収録曲です。

森田童子さんの歌詞に必ず出ている(と思われる)のが「チャーリー・パーカー」と「チャーリー・ブラウン」ですが、前者はサックス奏者であり、後者はスヌーピーの飼い主さんです。


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