おはようございます。
本日は金曜日。
音楽書籍を中心とする、音楽について語る、のお時間でございます
世界的な演奏家の自叙伝を読むのが好きです。
なかでも、現在までのトップ3の中に入る本が、こちら。
ヴァイオリンと翔る 諏訪内晶子 NHKライブラリー
諏訪内晶子さん、といえば。
まあ、様々なことで、クラシックファン以外にも名前をとどろかせてしまったこともありますが……。
この本で見る限り、とにかく、マジメな方。
(ご本人にお会いしたことはないので、あくまで、本からの印象です)
15歳で、日本音楽コンクール、優勝。
16歳で、パガニーニ国際コンクール、第2位。
17歳で、エリザベート国際コンクール、第2位。
18歳で、チャイコフスキー国際コンクール、優勝。
これだけの経歴をお持ちでいながら、ご家族の姿があまり見えてこないことが不思議。
普通、これだけ音楽にまい進されていたら、親の手が相当かけられているはずなのですが……。
例えば、同じバイオリニストの五嶋みどりさん、千住真理子さんに至っては、
ご本人よりは、お母様の執念の方が全面を覆い尽くしています。
まあ、バイオリンを専門になさる時点で、多くの場合は、多額の資が必要ですので、
その方面での助力は十分にあったと思うのですが
でも、それ以上に。
この本では、彼女が、自分の人生の節目節目に、冷静に自己を見つめ、
圧倒的な集中力とまい進力、そして探究心でご自身の音楽を高めて行かれたのか、
を、知ることができます。
う~~~~~~ん。
10代の女の子に、こんな冷静な自己分析が出来るものだろうか
とはいえ。
これだけの努力をするからこそ、上り詰めていける階段がある。
近年のスキャンダルは、別においておくとして。
音楽家としての彼女の精進は、素晴らしいです。
2位を取っても、1位を取ることができない自分を徹底的に分析。
そして、学び、補い、舞台にあがる。
この人は、自己の努力で「天才になった」のだ、と素直に頷ける本です
グローバル化が進む今日にあっても。
ヨーロッパでも、クラシック音楽を好む若者が著しく減少していても。
日本人が、なぜ、西洋音楽を奏でるのか
という疑問は、必ずされるもの。
広く、見つめれば。
なぜ、日本人なのに、イタリアンなのか
なぜ、日本人なのに、洋服のデザイナーなのか
なぜ、日本人なのに、西洋画家なのか
などなど。
そんな疑問に対しての、ちょっとした答えになるのかもしれません。
そして、「本場」を越えることへの、ちょっとしたヒントにも
ともあれ。
何かを成し遂げた人の語るものには、得るものが必ずあるもの。
一読されて、ソンはないかと
現在、アマゾンなどで、新品の取り扱いはないようなので、
図書館などでお借りくださいませね。