わたしは、ある学校でピアノを教えています。
その中で、今年度から持っている学生の中に、少々素直でない子が……。
というより、その大学の中では弾ける部類に入るので。
そのプライドみたいなものがあって。
わたしは、彼女に対して、ほぼ「弾いて」聞かせることをしなかったので。
彼女としては、わたしがどれだけ弾けるか、斜に構えていたんですね。
でも、わたしにちょっと不満を持っている理由もわかっていたので。
さらに、弾かなかった、という、あまのじゃくなわたし
いつか、彼女の前で弾く機会は来るだろう、と思っていましたのでね
そんな、本日。
彼女の試験曲を決めるために、どの曲がいいかを、何曲か弾いたわけです。
ショパンの練習曲。
リストの「ラ・カンパネラ」。
ドビュッシーを2曲。
などなど……。
もちろん、ちゃんと暗譜、仕上げテンポです。
はい。
そして、彼女の態度は改善されました
わたしは、ピアノ教師です。
だから、ピアノが弾けるのは当たり前なんです
どの程度に
はい。
それは、教える学生より、ずっと上のレベルで。
わたしは、着付け講師です。
だから、着物を着られるのは、当たり前なんです
どの程度に
ご覧になった方が、おせじではなく、「綺麗」と思って下さる程度に。
あんな風に着たいと思っていただける程度に。
わたしは、僧籍をいただいた若坊守です。
だから、お経を読めるのは最低限のお仕事。
よくね。
自分の力量はいいんだ、と言う方もいますがね。
それは、問題外でしょ
もちろん、わたしもまだまだ。
まだまだすべてが道の途中だけれども。
当たり前のことを当たり前に努力できる。
そういう人であり続けたい。