きのうアップした、
背中心で合わせる着物の着方
大勢の方に興味をもっていただいたようで、ありがとうございます。
もっと知りたいのですが、
とのメッセージを沢山いただいたので、私の知りうる限りのこと、また、体験したこと、伝えられたこと、を、少しづつ書かせていただくことにしました
(コメントでなく、メッセージってところが意味深ですね)
その前に、まずもって、私自身が、着物とどんな付き合いをしてきたのかを、簡単にお話しさせていただきます
着物との出会いは、物心つく前から。
同居していた祖母が、着物しか着ない人でした。
洋服を一枚も持っていないので、それこそ、一年中365日、きもの生活
反対に、母は、ほぼ自分で着物を着ることのできない人でした。
ただし、着物は上等なものを何枚も持っていました。
つまり、着せられる専門。
ここぞというときにしか着物を着ないので、タンスにあるのは、
・黒留袖(結婚式で着る、あの真っ黒で紋があって、裾だけにキンキラキンの模様があるあれです)
・色留袖(黒留袖の色バージョン。大抵は3つの紋入り)
・訪問着
・色無地(1つ紋入り)
・お正月などに着る、上等の小紋
・少しだけ、大島などの紬
見事に、ここまでのラインナップです
その母に、着物を着せ、準備すべてをしていたのは、私の父の長姉。
つまり伯母です。
この伯母が和裁士でした
本人は、超お嬢様で、ピアノを習うのにも、学校に行くにも、すべておつきの女中さんがいて、荷物など持ったこともない少女時代
ただ、後にかなり没落したため、御嬢さんの花嫁修業だった和裁で、生計を立てた人です。
私の娘時代の着物も、ほぼ、この伯母が見立て、縫ってくれていました。
それから、父の末妹。
没落したうちの娘でしたが、とにかく、お茶にお花三昧。
どちらも最上級のお免状持ちです。
なので、とにかく、着物を持っている。
そして、着道楽とも言えるほどの、洒落もの
この伯母に孫がいなければ、この叔母の着物は、全部もらいたいぐらいです
最後に、父の従妹。
こちらも、着物は体の一部
その他にも、父方の家系は、お茶とお花の先生だらけ。
着物は着れて当然。
結婚式でも、黒留袖を会場に持って入り、着物は自分で着る、二重太鼓はきっちり締められるよう、お互いに結びっこしあう……。
人が着ているのを毎日見るから、自然に覚えて、最初から、着れた。
そんな人たちの間で、育ちました
私も、ウールの着物や浴衣は自分で着る。
普段着なので、お太鼓は締めません。
お茶会やお出かけのときの着物は、伯母たちが着せて、お太鼓をきっちり締めてくれる。
そんな娘時代を過ごしました。
いえいえ。
昔の着付けが全部いいなんて、言ってませんよ。
昔の着付けを頑固によしとする伯母たちのおかげで、お茶会などで、けっこう嫌な思いもしました。
だって。
補正を良しとしない。
衿芯も使わない(今のわたしの衣紋の抜き方を見たら、きっと激怒される……)。
なので、私自身は、いわゆる「着付け教室の着付け」にあこがれました
きのう書いたことにしても、これから書くことについても。
どっちが良くて、優れている、とかではなく、
こういう着方が、一つのありかたとして、あった。
こんなふうに聞いた。
こんなふうに教えられた。
という、ただの、着物の着方の1つ、考え方の1つです。
百人いれば、着方も、好みも百通り。
でも、きっと、根底に流れる思いは一つ。
着物を綺麗に。
自分らしく着たい。
ふ~~~~ん、そうなんだ。
面白いな。
そんな理由があるんだ。
そんな風に、楽しんでいただければ、嬉しく思います
順序立ててではなく、思い出した順、気が付いた順に、不定期の掲載です
気軽に気長にお読みいただければ、幸せです
着物を着る誰もが、これから着たいと思う誰もが……。
気軽に、楽しく、美しく、自分らしく、着物が着られますように。