初めての方は
Hachi's Diary の歩き方。
をどうぞ。





休みの前の日。

いつもと違う電車に乗って帰る。

昔は毎日のように
出勤前に通った小料理屋さん。

マスターもママも
辛口だけれどとっても愛があって
もちろん料理だって美味しくて。
そんな場所へ
数ヶ月ぶりに足を運ぶ。

マスターやママはもちろん
カウンターの方々も温かく迎えて下さって
昔いつも食べていた鉄火丼ハーフとピーマンつくねを注文。 

マイボトルとお茶を頼むと
「初音ーっ!!ジャスミン茶もあるわよ」
とアタシが来ていない間にメニューに加わったジャスミン茶が出てくる。

うん。美味しい。
全部美味しい。

「アンタの名前なんてすっかり忘れてたわよー」
なんてイジワル言うママと
ネイルの話で盛り上がり
もちろんアタシはいい感じに酔っぱらう。
 
行きつけのBarへ移動しようとお店を出ると
ママがお店の外まで出てきてくれて
「頑張るのもいいけど、体に気をつけるのよ」
って言ってくれた。

2年以上前。
キャバクラで働き始めたばかりの頃。
初めて会うお客様と
何を話していいのかわからなくって
テンションを上げる為に
出勤前に1人でゴハンを食べに来ていたお店。

2杯くらい飲んで
カウンターに居る常連さん達とお話をして
ウォーミングアップをしてから出勤するのが日課だった。

みんなが毎日
「いってらっしゃい」
って言ってくれた。

時には
さっきまでカウンターで一緒に飲んでいた常連さんが
わざわざお店に顔を出してくれたりもした。

ママもお客さんを大勢引き連れて
お店に飲みに来てくれた。
 
アタシが落ち込んでどーしようもない時に
「ラーメン作るから食べにおいでっ!!」
って言われて
何故かママの家で
2人で向かい合ってラーメンを食べた。
今思うと不思議な光景過ぎて笑えるけれど
あの時はママに心底癒された。
ラーメンを食べながら泣きそうになったのは
後にも先にもあの時だけだ。

お正月にママの家にお呼ばれして
みんなでお酒を飲んだ時
お正月料理と並んで
いきなりカレーが出てきて
「初音、カレーが食べたいって言ってたでしょ?」
って。
確かに言った。
酔っぱらってヘロヘロな時。
「お母さんの作ったカレーが食べたい」って。
覚えていてくれたんだ…


ママはとっても厳しい人。
アタシも何度か怒られた。
 
だけど
とっても暖かい人。
アタシはママに何度も救われた。


いつの間にか同伴が多くなって
なかなか顔を出せなくなっても
たまにフラッと寄ると
「最近、全然顔出さないじゃないのよー」
ってイジワル言いながらも
「お店はどう?」
って聞いてくれて
今までと変わらずに
「行ってらっしゃい」
って言ってくれたママ。


久しぶりに行って
またママにたくさんの愛をもらったよ。

嬉しいコトばかりでも
楽しいコトばかりでもないけれど
アタシ頑張ってみるよ。



またしても
気持ち良く酔っぱらってしまった。

ニヤニヤしながら歩いて帰った。

夜風がサイコーに気持ち良かった。