10年ぶりに運転免許証がゴールドからブルーに変わった。久しぶりの青いラインに若かりころを思い出すのかと思ったが、写真がオッサンなのでいっさい思い出さなかった。

 違反をしたのは4年ほど前、舞台公演後に小道具を返却にいく途中に初めて通る道で「ふんわり一時停止」をしてしまったのだ。そこで張り番をしていたのは白バイでもパトカーでもないチャリの警察官だった。僕は、笛の音に気づかない振りなどせず素直に停止して前後確認して免許の入った財布を持って車を降り、せかせかとチャリを漕ぐ若い警官を爽やかに迎え入れた。

 ごますりや反論はせず粛々と受け入れる僕に少しばかり拍子抜けしているようにも見えたが、ごく普通に切符を切られた。僕から奪い取った2点は彼の昇任の手助けになったのだろうか。若々しさから巡査のように思ったのだが、もしかしたら昇任試験をクリアして巡査部長になっていたりするのだろうか。それはさておき、すでに地域課から異動になっているかもしれないが、これからも世の交通安全のために活躍してほしい。講習を受けたてのためか素直にそう思う。

 ちなみに、講習で流れるビデオに知っている顔がいるのではないかと期待していたが、身近な人は誰も出演していなかった。

 ここから3年間無事故無違反を続ければまたゴールド、僕はそう目標を掲げていた。だがなんと、受け取ったブルー免許の有効期間は5年だった。知らなかった……ブルー免許は3年と5年があったのか。

 ここから5年間、僕の自動車保険は割高となる。「ふんわり一時停止」ではなく「きっちり一時停止」をすべきであった。