昭和5年10月31日生まれ、享年80歳である。
多感な少女時代はゼロ戦の部品を磨き、爆撃で死んだ多くの遺骸を見、世の中が平和になってきて熱田から港へ嫁ぎ、伊勢湾台風では大怪我をし、全財産を泥水で流され、そこからがんばってお店を立ち直らせ、長女長男もなんとか育て上げ、道路拡張でお店が移転をよぎなくされるも、バブル期ってこともあって5階建て、エレベーター付きの立派な現・大はし屋を夫と二人で再建するも、その立派さより、専用の玄関があることに大喜びし、舅・姑も無事に送りだし、店の客とは売り買いよりも会話を楽しみ、ここ数年は怪我や持病に悩まされるも、体が言う事とを効かない、えらい、つらいと言いつつも夫の献身的な介護に守られ、今朝、布団の中で冷たくなるまでその一生を一瞬のうちに走馬灯のように見てたんだろね。
この年になっても跡継ぎもおらず、不肖の息子ではあったが、高校卒業以来、色々ありつつも孝行はしてきたつもりなので勘弁な。
明日、お通夜、明後日告別式、とおちゃんもだいぶ気落ちしてお疲れの様子だで、見守ってやってな。
では、さようなら。
かあちゃんへ。