お盆明けの16日に墓参りにいってきた。
実家は弟名義、小さな畑もそう。最初の話ではいつでも泊まりにくればいい、との話だったが、どうも弟は俺を憎みきってるようだ。母の遺産を詐欺まがいに盗んでいった親戚も最初のうちは「ここを自分の家だと思っていつでも泊まってけばいい」なんて言っていたが、母の生前から金をたかりにきてたということを、他の親戚から聞いてから、こいつらは金の亡者だと思った俺が怒り狂って何時間も「てめえらそれで人間かよ!恥ずかしくないのか?前科なきゃおまえらの家押しかけて住めなくしてやるとこやぞ!死人の金たかるっておまえら人間の屑以下やんけ!オカンの墓行って土下座してこい!」何時間も電話で怒鳴り付けってやってから電話も出なくなった。母は俺に家と土地を残したかっただろうと思う。弟と違って風来坊で金のない俺のことを気にかけてただろう。
弟も親戚もその事は否定しないだろう。
母は俺が就職した時には柚子の木を植えたという。家のまわりは花や木に囲まれている。裏には風避けの杉が、夏ミカンにレモンの木もある。レモンは日当たりが悪くて何年もならなかったが、このところ大きい実をたくさんつけるようになった。誰も住まなくなった母の思い出でつまった土地の面影がなくなってしまうのが俺には、つらい。弟は少し離れたところに家を建て、薪ストーブかなんか使った洒落たログハウス風の家に住んでるらしい。俺はもちろん行ったこともない。薪ストーブに使う薪だけが実家の前の小屋に山積みしてある。死んでしまえばオシマイだ。親戚も弟も金と土地だけ手に入れば、知らん顔してやがる。あんまりアタマきたから弟にも電話で怒鳴りつけてやる。電話の向こうで「録音、録音!」とか弟が嫁に言ってやがる。アホが!田舎者のセコい根性になり下がりやがって。