あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

今日は成人式。
新成人の皆さん、おめでとうございます。

20歳。
はるか昔のことになりました。
僕は岐阜県の高校を出て、
大学進学のため、上京しました。

中学のころに描いた将来の夢がありました。
映画を撮ったり、テレビの番組を作ったりしたいな…です。
高校の進路指導の時間、
担当の教諭にそれを話したところ
「そんなのは『夢』だよ。もっと地道な人生を歩みなさい」と諭されました。
ちょっとアタマにきたので
(世界中の人々が夢中になる番組を俺が作ったる)
そう決めました。

AD時代、お世話になっている放送作家さんに
「乾は何を作りたいの?」と訊かれ
「なんでもいいから世界中の人に自分の番組を観てもらいたいす」と答えました。
「ふ〜ん…そりゃ無理だな」と。
今、思えば、そりゃそう言いますよ。
バカですね。
でも僕は「あの、俺、もしかしたら天才かもしれないじゃないすか?」と言い返します。
「違うな…天才じゃないよ」
「え?まだADだし、ディレクターになったら凄いかもしれないし」
「いや、違う。お前が天才だったならここでADなんてやってない。天才ってのは若くても世の中が放っておかないんだ。
だから乾ははっきり言って無能なんだと思う」
22歳ですよ、僕、その時。
無能て!
キレかけた僕は
「じゃあ無能な僕はこの先、どうしたらいいんすか?!」
その放送作家さんはこう言いました
「君の周りに天才を集めなさい。
その天才達が君の言うことをきいてくれたなら、君の無能を補ってくれて
もしかしたら素晴らしい番組を作れるかも。
問題は、天才達をどう集めるか、だ」

素晴らしい金言です。

僕のその後の30年は天才達を集める時間でした。
結局、やっぱり僕は天才でもなんでもなかったのですが
天才達がいつも助けてくれて
「世界中の人々が夢中になる番組」を作れています。

夢は叶いました。

新成人の皆さん、あなたは今、無能でもいいです。
これから仲間を作りましょう。
素晴らしい仲間が夢を叶えてくれますよ。