先日のDOORSの打ち上げの二次会で

FOLCOM.の副社長Fと取締役のT、それぞれについて訊かれたので…

会社設立シリーズの「増刊号」を書きます。

もうお気づきかもしれませんが…

我々3人はTBSで放送されていた「筋肉番付」という番組の

ディレクターをやっていました。

小生は自分の担当放送回をまとめる「演出」

FとTはそれぞれにコーナーを担当する「ディレクター」でした。


副社長のF。

野球の的当てコーナーを主に担当。

彼は非常に優秀な「段取り屋」である。

小生との出会いも筋肉番付以前からであり…

彼がスタッフとして参加した時は「あ、前に会った事あるよね」だった。

Fとは思い出深いエピソードがある。

冬に「苗場プリンスホテル」で収録が行われ、

番組の司会陣とオールスタッフが集まった。


収録が終わると当然宴会が行われる。

宴会が終わると…タレントさんの部屋で上層部は飲み直し(笑)

小生はたまたまヒドイ風邪で熱は出るわ、咳は出るわで

完全に具合は最低。

それでもタレントさんとのお付き合い上、参加せねばならず…

深夜3時も過ぎた頃、やっと部屋に戻った。

ツインルームにはFがすでに就寝中。

小生は起こさないようそっと休む支度を整えベッドへ。

しかし冬のホテルは暖房と乾燥でかなりキツイ…咳が止まらないのだ。

Fを起こさないようふとんを頭からかぶって咳をする。

当然寝られる訳もなくじっとしているのみ。

すると…Fはムクッと起きた。

(ん?やはり起こしてしまったか…)

小生は寝たふりをしていたのだが、Fは部屋から出て行った。

(あれ?どこ行ったかな?)

しばらくしてFは戻って来た。

そして…

風呂場に入ってシャワーを浴び始めた…

(ん?風呂入らずに寝て…今、シャワー浴びる事にしたか?)

と思ったらシャワーを出したまま、

すぐに風呂場から出て来てベッドに座りタバコに火を付けた。

さすがに寝たふりもしんどくなって

「ゴメン、起こしちゃったかな?咳が止まらなくて…」

するとFは

「風邪、キツそうですね。

 今、自販機でアセロラドリンク買って来て冷蔵庫に入れておきましたので

 飲んで下さい。ビタミンCを摂らないと…

 それに、湯船にお湯を溜めておくと蒸気でノドが楽になりますから

 今、シャワーを出してますから…」


気配りの人である。


もし、小生がタヌキ寝入りではなく熟睡していたとしたら

彼の心配りに気付かないだろう。

風邪をひいた小生は、どうせ次の日の朝もシャワーを浴びないし

なんだったらチェックアウトギリギリまで寝ている。


それでもFはアピールする事なく過ごしていただろう。

そういうヤツだ。

あれから10年近くを経た今、Fはこのエピソードを覚えていないという。

さして大した意味もなくやった「気配り」だったのだ。


上司に媚びへつらう輩は大勢いる。

本人に気付かれず、そっと気遣う…

できそうでできない事ではなかろうか。



もうひとりの取締役である T。

現在35歳。

サッカーの的当てコーナーを主に担当していたT。

会社設立時は31歳だった

Tはチンピラである(笑)

言葉遣い、風体…どう見てもチンピラである。

生活もだらしない…遅刻・欠席の常習犯である。

そして暴れん坊である。

ただ…

部下(若いアシスタントディレクターや後輩ディレクター)には

誰からも慕われる。

何故かは分からない。

後輩をひどく叱るし、その言葉も荒い。

そして我々中年と若い連中の間を取り持つ不思議な魅力がある。

ヘソを曲げやすいが…

小生の意見にはいつもキチンと耳を傾ける。




小生がこのFOLCOM.の代表になる事を依頼され

前途多難である事を知りながら

社長就任を引き受けたのは

ひとえに彼らの人柄に由る。


「仕事ができる・できない」

それは会社にとっての戦力を計るには大事なファクターである。

でも、それだけだろうか…

小生に足りない「気遣い・心配り」を担当する副社長 F。

若い者たちをその不思議な魅力で束ねる T。


ちいさな会社であるFOLCOM.が未だ倒れずにあるのは…

全力で小さな3輪車の前輪を漕ぐヘッポコ小生が転ばないように

支える後輪を担当する2人の力である。


有限会社FOLCOM.…よくできた組み合わせである。