ナレーション録りの最中、その電話はかかってきた。

それは格闘技担当からの電話だった。

電話の中身とは…

ナレーター田子千尋さんの事務所は小生が独立前に所属したチームの

格闘技番組も担当していたのだが…

前のチームのプロデューサーはこの「麺王」が自分の某アトラクション特番に

似ているらしいと激怒。

チームを辞めた小生を恨んでいたそのプロデューサーは


強権を発動し、T さんの事務所所属の田子さんを年末の格闘技特番から

外した。

格闘技特番のスタッフにも激震が走った。

小生が麺王ナレーターにT さんを呼んだからだ…



結局、ナレーター事務所は小生と前チームのプロデューサーの

諍いに巻き込まれトバッチリを受けた。

何年も格闘技を担当した田子千尋氏はクリスマスイブにクビの宣告をされ

泣いて過ごしたそうだ。



小生は驚いた…

ラーメンの番組が前チームのスポーツアトラクション特番に似ているのか!?

前チームはTBSと全く同じスポーツアトラクション特番をフジテレビでやっていた。

それはOKで…


ラーメン番組が似ているという中傷がまかりとおり

田子さんがクビにされる。

小生の番組に関わると…小生を潰すためには

関わった人だけでなく会社レベルで外される。



後に、ナレーター事務所の社長、Tさんは揃って

「INUIさんの番組に参加した事は後悔してません。

 あなたが正しいと信じていますから。

 こうなりゃINUIさんと心中ですね。」と笑った。



しかし…そんなトラブルを生んでまで作った「麺王」は視聴率7.4%

最低だった。

大きな戦いに敗れてしまった。

麺王の番組プロデューサーK氏も正月を泣いて過ごしたそうだ。



小生は間違っていた。

DOORSの成功でいい気になっていたのだ。

完全に調子コイていたのだ。

作家 Ⅰ さんの忠告も聞かず…自分ならできる!と過信した。

大バカ野郎である。


勝った時はあれほど鳴った電話も、負けると…全く無く…

思い上がった自分を恥じる事しかできない。

ナレーター事務所の皆さんに合わせる顔も無い。

小生を憎んでいる前チームのプロデューサーは高笑いだっただろう。



勝利と完全なる敗北…2005年は終わった


この失敗により、FOLCOM.は暗黒時代に突入する事になる…