来週、京都に出掛け任天堂と打ち合わせする事になった。

DOORS2008の美術・技術会議は…セットの全体イメージプランが

固まってきた。

今回は「ラスベガス」です

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厳しい予算の中、天才デザイナーのO氏が知恵を絞ってくれた

感謝


会議は現状の厳しい制約の中、現時点での問題点の洗い出し・対策のブレスト・

代案の提示・更なる作業の確認・出演者のモチベーションキープに関する課題…


議題は尽きない。


さて、本年度DOORS2008から参加している美術プロデューサーのA氏。

小生より少し年配だが、非常に熱い人だ。


小生は今年の正月特番で初めて御一緒した。

昔、お世話になった有名タイムキーパーさんの旦那さんでもある。



そのタイムキーパーのYさんには忘れ難いエピソードがある。


あれは小生が26歳の事…

当時20%の視聴率を毎週獲っていた人気番組の

AD(番組雑用係)として小生がいた。


ある時、番組プロデューサーから

「今回から演出(チーフディレクターの更に上?…みたいなもの)をやれ」と言われた


…26歳の小僧にである

大抜擢だった


当時のTBSのゴールデンタイム看板番組の演出をTBS局員ではなく…

いわゆる下請業者のADがやる…

今でこそそういう番組も増えたが、当時は前代未聞の大事件だった。



「やっぱり俺は天才だ!」などと自惚れる小生。

「若さ」というのは「阿呆」でもある

「せっかくやるのなら新しい切り口でやってやる!」と意気込んで

必死でやった



なんとか無事収録を終え、言いようのない満足感に浸り…

編集作業に入ったのだが…




タイムキーパー(番組の時間を計る係)のYさんは

カットを短く切っていくようにアドバイスする。


「そこはそんなに短くしなくてもいいのに…」と思ったが、

「ベテランのYさんが言うのならそうなのかな・・・」と




しかし前半をあまり短く編集してしまうとエンディングが長くなり間延びする…


心配をよそに「これはこうでOKでしょ?」と作業を進めていくYさん


いよいよエンディングシーン、しかし案の定エンディングが少し長い

…やはり前半をカットしすぎたのだ。



Yさんに言うと

「今回はこれでいいのよ」と

「…?」


「あなたが初めて演出をするオンエアよ。エンドロールが少しでもゆっくり流れて…


あなたの名前が少しでも長く画面に出た方がいいじゃない…ね?」


エンディングには「エンドロール(番組の終わりにスタッフの名前が出るやつです)」が入る。

当時ADの名前はエンドロールに入れてもらえなかった。

「デイレクター」という肩書をもらって初めてエンドロールに名前を乗せる事を許される。



言葉が無かった…

ベテランのタイムキーパーさんの思いやりに、調子コイてた自分を恥じた

…泣けた



テレビの仕事に憧れて、大学進学は東京を選び、田舎から出てきた

田舎の両親・友人は小生の名前が出て来ないから

テレビの仕事をしている事を信じていなかった

そういう思いを、金沢の田舎から出て来たYさんは知っていたのだろう


その後、当時所属していた事務所の社長が本番前、

カメラさん照明さん…全てのスタッフに

「ウチの若いバカが今日、あろう事か演出をやらせていただきます。


皆さん、どうぞなんとか助けてやって下さい」と差し入れを持って頭を下げて回っていた事を知った。



更に、ディレクターとしてなんの実績も無い小生を抜擢した番組プロデューサーは

何度も上司に呼ばれ猛反対をされたが…

「あいつが、もしダメなら責任を取ります」と言ったそうだ。

部下の社員でもない、外部プロダクションの下請けADのために…


全部、後から人に聞いた…



時々、ブログを読んだ方や一緒に仕事をしている方々から

「才能がないなんて謙遜…」とありがたいお言葉をいただく

小生は大勢の人のお蔭で…たまたま今の位置に居ます

たまたま居るんですわ




今日のDOORS2008の会議でも、なんとか小生のやりたい事を実現する為に

タイムキーパーYさんの旦那さんである美術プロデューサーのAさんは

熱くなって喋っていました…

AさんはTBSの局員です。

外部プロダクションの演出の夢をなんとかしようとしています。

しかしそれは小生の為ではなく、番組の為です



おそらく…番組というものは生きモノであり、

手塩にかけて大事に大事にする人の心が

画面を通して皆さんに届くものなのでしょう

素晴らしいスタッフが集まった、この巨大な「DOORS」という番組。

毎年、徹夜作業にも関わらず働いて下さる

のべ1200人のスタッフ全員の意気に感謝しています

そして旦那さんやお父さんが1週間も留守にするスタッフのご家族に

お詫びと感謝をいたします