その店は朝の4時まで営業している。

とは言っても残り1時間程度しか無かった。

記憶が消えている2次会の頃よりは、酔いが醒めているとはいえ、かなりの酔っ払いではある。


普段なら帰りたい気分になっている状態だ。それなのに帰ろうとしないのは、きっと若い女の子と2人きりだから。そして頭の片隅には良からぬ事を考えていたからだろう。


店に入り個室のようなボックスで対面に座り、とりあえずビールを頼んだ。何を話していたのかはほとんど覚えていない。何かの話のきっかけで、


「横においで」


と言ったのは覚えている。

そして真横に座らせて話し始めたが、こうなるとかなりの酔っぱらい状態であり、酒の力も手伝って完全にエロモード。

最近話題の俳優の 香〇さん状態?

いや、それ以上だったと思う。


キスはするわ

胸はさわるわ

股間にも手を伸ばした


そこそこ抵抗はされるがお構いなし。

ボックス席と言っても、入り口付近通れば店員にも見られるのに周りが見えていない。

しつこく何度もキスとお触りの繰り返し。

おそらく俺の事をかっこいいと思ってくれていた彼女に対して、もう完全なエロ変態親父になっていた。

仕事の時の頼れるかっこいい年上男性などといった姿はもうそこには無い。

一歩間違えは犯罪者。

警察呼ばれてもおかしくなかっただろう。


どこかで正気に戻り、閉店も近いので帰ろうと伝えた。この頃はコロナ前の頃、代行呼んだがすぐには来ない。彼女には

「タクシーで先に帰ったら?」

と言ったが、

「大丈夫です」

と言って一緒にビルの下で待ってくれた。

いつの間にか雨が降っていた。

心配してくれてるのか、こんな酷い事をしたエロ親父と一緒に代行が来るのを待ってくれた。


帰る方向は同じなので自分の車に乗せてあげ、代行と一緒にその後は何もなくそのままおとなしくに帰った。