CNCハブ
わたくしキシリウムが好きです。
キシリウムユーザーでもキシリウムのスペルすぐ書ける人は少ないでしょう。
わたくしはすぐに KSYRIUM とスラスラ書けるんです。
でも、昔からスラスラ書けたわけじゃない。
いろいろ紆余曲折があり部屋の中 KSYRIUM だらけになってやっと書ける様になったんです。
そんな歴史をアーカイブズと共に。
そもそも完組の元祖がMAVIC ですから、これを無くして完組など語れるはずがありません。
今でこそ真っ赤なフルクラムレーシング0なんてのに押され気味にも見えるけれども、
2004~5年位まではフルクラムなんて存在すらなく、
シマノコンポ使用者がホイルだけカンパってのもしっくり来ないんで皆シマノ、MAVICを使っていたもんだ。
そこで、カンパも考えてシマノ派を取り込むべくフルクラムって看板掲げて登場したのはいいけれど、
当初はリムの切削やら、シルバーと黒のみのカラーであまりにもキシリウムの真似に見えたのか?
鳴かず飛ばずで現在の繁栄がウソの様だったことを記憶されている方も多いでしょう。
その後、2006~7年頃に運命を分かつことになったと感じているのは俺だけじゃないと思う。
キシリウムはシルバーモデルが消えていき、黒のジミジミ路線ヘ・・・・
一方フルクラムは真っ赤なレーシング0、そしてカンパは黄金のシャマルとデーハー路線へ。
すっかり、キシリウムの影が薄くなったのはこの頃からじゃ・・・
以下、歴代のキシリウムSLのアーカイブス、
でも、カンパを食わず嫌いで使わないわけじゃないよ!!
03 Ksyrium SL
デザイン的には今だにこのデザインが一番好き。
色は黒だけど、凄い派手に見える。 地味派手。
初期も黒だったんだけど、リムの切削部分だけアルミの地がシルバーで剥き出しで格好いいんだよこれが!
BontragerがこのMAVIC特許の切削リムのマネをしてMAVICに訴えられたことをご存じの方も多いんじゃ?
現行も何故このデザインにしないのか?って思う位格好いい(と思う。)
重さは、やはり歴代では一番重い。
そして重いのに05より剛性が低い感じがする。 特に車体振った時。
古くなってテンション低くなってるのかな~?
アルミスポークだからそんなに伸びないはずだけど・・・
フロント:722㌘、リア:875㌘、前後合計:1597㌘
初代はフロントハブの形状も違うんだよね。
05 Ksyrium SL
05モデルは一気に軽くなった。
これは漕ぎ出しでもその軽さがあきらかに分かる。
アルミのハイテンションスポークにより剛性も高くて俊敏、軽快。
これで好きになった。
同じキシリウムでも、03モデルよりもかなり軽快感がましていると感じる。 ザ・ベストバランス I think.
フロント:685㌘、リア:863㌘、前後合計:1548㌘
06 Ksyrium SL
このモデルは出た当時物議をかもした。
何故って?05モデルで十分良かったのになんで重くする必要あんの?って。
ちまたでは、買ってもいないのにやたらと語りたがる評論家気取りが
『MAVICは気分でリムの切削量を変えるイミフ 』 などと書いていたのを思い出すけれど・・・・
実際何が違うって、フロントのリムの幅が太くなっていてフロント剛性を上げてる。
気まぐれで削るかってのw
漕いでみると05より若干出だし重い様な気もする。(プラセボ)
これは推察なんだけれども、カンパ系がキシリウムそっくりの切削リムを出してきたのがこの年?
カンパはカタログ重量的には軽いけれど、実測は凄い鯖読みでかなり重かった。 (下に出て来ますw)
そして実際乗ってみると同じ構成のユーラスはキシリウムより剛性が高く感じる。
キシリウムでも剛性が高いと感じていたけれど、やはりプロ供給の世界では更なる剛性を求められたんじゃ?
カンパの剛性対抗策として、重量増してでもフロント高剛性化か?なんて勝手に思ってます。
それと、その年に限定バージョンとして出す算段であったESとの差を明確化させる為・・・・
だって、前年より敢えて重量増すなんて普通は考えられない。
ちなみに作りは06モデルが一番いいと思う。
ホイルサイドのロゴもこの最後のシルバーモデルのみシールじゃなくてアルミに直接印字してある。
08からの黒モデルはまたシールに戻っちゃって、後にも先にも直接印字はこのモデルだけ。
フロント:705.5㌘、リア:869.5㌘、前後合計:1575㌘
08 Ksyrium SL
06に発表された限定モデルのキシリウムESでは一気に軽量化に拍車をかける。
06SLでフロントリム幅を大きくして来たキシリウムだったけれども、ESではまたリムを細くしてきた。
おまけに、フロントはリムハイトまで低くなり、フロントハブシェルをカーボン化、
そして冒頭の写真でもリアのハブシェルも随分細くスマートにしてきた。。(重量は変わってないわけだが・・・)
アルミに拘る限り軽量化するには細くしたり低くしたり、カーボンで繋いだり・・・・するしか手はない。
アルミホイルで、やることすべてやった究極の形がこれ!ってスペック。
結局、06,07では並行してSLとESの2種類が売られていたんだけれども、
軽量バージョンのESと前年より重く剛性を増した普通バージョンSLとハッキリ性格分けしてたわけですな。
そして08SLではESの外観を引き継ぎ、リアリムを非対称にしてスポークテンションの適正化など更に進化。
08では05にも増して軽さを感じるんだけど、特にダンシングすると剛性が落ちを感じるし、
05,06で感じる走りの質感、頼もしい感がチョイと失せた様な・・・・。(すべて、そんな気がするだけです)
そして、コーーー って言う走行音がなくなってしまった・・・・ (結構気に入ってた人です)
フロント:628.5㌘、リア:866.5㌘、前後合計:1495㌘
ちなみにメーカー発表値は
フロント:645㌘、リア:840㌘、前後合計:1485㌘
何故か?前後の重量がチグハグだけれども合計重量は大変正確な数値。
(実測ホイルのリアにはマグネットが付いているので前後合計の重量 ≒ ドンピシャだと思われる。)
まとめ :
フロント リア 前後合計
03 722.0㌘ 875.0㌘ 1597㌘
05 685.0㌘ 863.0㌘ 1548㌘
06 705.5㌘ 869.5㌘ 1575㌘
08 628.5㌘ 866.5㌘ 1495㌘
初代より5年で100㌘以上の軽量化を果たしている。
特徴的なのはリアの剛性はこれ以上落とせないと言う拘りか?
リアの重さはほとんど変わってない。
そして フロントだけで重さを調節していることがよく分かる。
乗り味はフロント剛性で味付け?!
あくまでも定格250w程度の自分のパワーで、山道沢山平地もありってコースだと
剛性、加減速の俊敏さ、軽やかさなど05モデルが一番バランス良い印象。
平地が多くなると06もヨシ。 仕上げも一番いいですし。
今更買えねーモデル薦められてもね・・・と言う声が聞こえてきそうですが。。。
アルミホイルの出来うる限りのスペックを放ってきた06キシリウムES以降のモデル
それと時歴ずして、R-sysが出てきたことがアルミホイルの限界と新しい方向を示唆してる。
剛性を確保した上でのアルミホイル軽量化には異種素材の組み合わせがキーワードになることは間違いなく。
そう言う意味でR-sysやシマノのコンポジリムは先を行ってる事は間違いない。
カンパもその流れに追随せざるを得ないことは間違いないだろう。
シマノのホローテックⅡに対して無理クリ違うやり方でウルトラトルクを出してきたカンパの意地を見ると、
どんな違う方法で異種素材を出してくるかがとっても興味がありますな。
カーボンスポークとコンポジリムって驚きのない内容だったらガッカリですが・・・
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丁度2006年だったかね。
カンパEURUSのホイルリムもキシリウムのマネッコで切削仕様に、
そして、スポークも太いきしめんチックなアルミスポークが採用された。
当時は特にキシリウムLOVEって事も無かったんで、
皆さんがイイと言われるカンパのホイルがどんなモノか_?買って使って見ることにしました。
07 Campagnolo EURUS
ユーラスは当時乗っていた05Ksyrium SLとほとんど同じ構成 ・・・・ アルミ切削リム、アルミスポーク
だったんので乗り味もそっくりと思いこんで履いたその印象は予想とはかなり異なるモノだった。
『回転良好、堅いけどモッサリしたホイルやな~・・・・』 って感想
剛性の高さは、キシリウム以上か?などと思ったけれど、何故か?軽快感がまったく及ばない。
回転もリムも良いので惰が効いてスラーッッと平地走るのは良いんだけれど・・・
当時、BMCのカーボンフレームに付けていたんだけど、フレームとのマッチングかな~?と思い
キシリウムに履き替えるとなんともシャッキリ。
Litespeed Vortexで履き比べてみても、 明らかにキシリウムSLの方がキビキビ気持ちよい乗り味だった。
そして計量して見るや、凄い鯖読みでカタログ重量との差に愕然としたモノだ。
ちなみにわたくし 《量って軽い = 漕いでも軽い》 などという考えの持ち主ではない。
あまりにもモッサリなので量ってみたら重かっただけだ。
フロント:678.5㌘、リア:935㌘、前後合計:1613.5㌘
ちなみにメーカー発表値は
フロント:660㌘、 リア:890㌘、前後合計:1550㌘ ・・・・ 鯖度 60g越
この発表値は今年のモノだが、確か当時は1500㌘を切る数値を発表していたと記憶 (笑)。
重量だけで判断すると、キシリウムとの差は ・・・・ リアホイルの重さが際だっている。
そして、リムの幅が一番幅があった06キシリと同じか、それより少し太い。
カンパのシマノ用はフリーが鉄だから重いなんて言われるが、マビックも鉄だっての。
剛性に納得、モッサリにガックリするのである。
08 FULCRUM Racing1
上記の様な理由でユーラスとはとても甘い時間を過ごせたとは言えず何の未練もなく里子に出してしまった。
雑誌のインプレなどまったくアテにならんな~と言う実感を持ちながらも、気になるホイルがあった
それが、FULCRUM Racing1
実は甘い幻想があった。
『スポークパターンもカンパよりシンプルだしひょっとするとユーラスより軽いんじゃ?』
『フルクラムの評価の高さから見てユーラスより良い印象を持てたらいいな!?』
って訳で、買って早速期待に胸膨らませながら計量 ・・・・ そしてさようなら・・・・
フロント:720.5㌘、リア:932㌘、前後合計:1652.5㌘
ちなみにメーカー発表値は
フロント:695㌘、リア:855㌘、前後合計:1550㌘ ・・・・ 鯖度 100g越
リアはユーラスとほぼ同じ、なのにフロントの重いこと重いこと
同じ様な構成なのにユーラスよりフロントだけで42㌘も重いって ・・・・ 何をどうしたの?
同じ会社が作るホイルでユーラスより更に重いホイルがユーラスより軽快に走ることは考えにくく・・・・
乗る気は一気に失せドナドナ。
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カンパ系は確かに回転はよいと思うのだけれども、ビックリするほどってまでは思わない。
それよりも、明らかに加速でモッサリ感じるこのホイルの雑誌での評価が異常によい点の方が気になる。
確かにパワーライダーなら、力で一気に速度を乗せて、速度維持させる乗り方もあるのかもしれない。
しかし、ワタクシレベルの非力なホビーライダーにはとっても無理。
それに自分がよく走るコースだと山も多くてモッサリしたホイルだとあまり気持ちよく走れない。
キシリの方が明らかに気持ちよいと思えるのにそれに敢えて乗らない理由もない。
普通は雑誌のインプレ見て選んで、それしか知らなきゃ、『こんなモンでしょ』 としか思いようがない。
または、それまで乗っていたホイルがショボければ、『イイ!』 って思うかもしれない。
『??』って思っても、雑誌で絶賛していたら自分の乗り方が悪いのか?なんて思い出すかもしれないし、
プロがツールで乗っていたりしたら、『これが悪かろう筈がない』って思うだろう。
でも、実際使うのはパワーのあるプロじゃなく体力下降気味のオッサンだったりするですよね。
やはり、ツアーチームが使ってるとか、雑誌のインプレの鵜呑みはいけません。
たまたまきしめんスポーク好きなんで、
きしめんに沢山乗って量って 『見た目も性能もキシリウムかな~』 と言う結論になったけど、
きしめんに拘らなければそれがDURAだったりイーストンだったとしてもおかしくないのですよ・・・・
と言う訳で、何かの参考になったら幸いな非力系オッサンの備忘録なのです。
今日もありがとう