さて、アンティークを求めて旅をする話から途中で脱線してしまったが、以前触れた「ボロブドゥール寺院」に本筋を再び戻そう。
デンパサール空港から2時間ほどの空路で現地に立つと盆地に建てられているせいか、バリよりも蒸し暑い。
建物は全て石造りで圧巻。
7~8世紀に建てられたとされる。
10層からなり、下の7層は正方形で上の3層は丸壇のテラスになっている。
回廊を順々に鑑賞でき、最上階層には直径9.9mの大卒等姿があり、その周りを小卒塔姿が囲んでいる。
下層から「人間の浅知恵、愚かさ」、次に「釈迦の誕生から入滅、その教え」等が1460枚のレリーフにうきぼりで描かれている。
仏像群は504体+1体。
数ある仏像の内で1体だけが霊験あらたかと言う。
まず、足の裏に触れ、願い事を1つだけしたうえ、丸壇のテラスを1周すると叶えられるとか。。。
それならば、と「4つのお願い」をしてしまった。
1. 家族の健康
2. 商売繁盛
3. 娘2人の良縁
4. 息子の嫁取り
いずれも叶えて欲しいと願う私は、やはり煩悩の塊りか。
静かに瞑想する仏像の姿
そんな私の手元から、やがて離れていくアンティークの品々はどんな人生の物語の中に新たに登場するのだろうか。
また、私が過去に納まる時、世界はどう変わるのだろうか。
そして人々は、アンティークと言う、いわば個の歴史を通して未来に希望を繋げる事が出来るのであろうか?
「そうだ!肝心な世界恒久平和の祈りはどうした?」
改めて仏像群を見渡すと、1体だけ上半身が見える仏像アルバダツが世界平和の為、人々の幸福の為に静かに瞑想しておられた。
次の航海に向けて一時帰港。