松下隆一さんの「源さんの味噌汁」を飲む。
耳の聞こえない、捨て子のゲンさん。
物乞いを続けながら、半生を過ごしていた。
あることをきっかけに、目の見えない按摩のソウさんと
出会い、二人一緒に暮らすことに…。
ゲンさんの作る味噌汁の味が素晴らしいことがわかり、
周囲の助けもあって、味噌汁の店を出す。
さらに、二人は、捨て子の赤ん坊を拾い、
育て始めるのだが、このことによって、二人の生き方は、
一変する。
人に疎まれ、蔑まれながら、社会の底辺で生きる、
生きざるを得ないこの二人が、懸命に生きようとし、
そして、誰かのために生きることだけに全力を尽くす、
そんな物語である。
この二人、お互いを自分の分身のように、
自分のすべてだと思える。それは、社会の底辺で
生きてはいても、それほどの相手に出会えたとしたら、
なんと幸せな生だろうか。
ただ一つ、結末なのだが、これは、
余計なのでは、そんな気がした…。
