狸穴あいあい坂」を読む。
「狸穴あいあい坂」シリーズの二作目。
犬猿の仲の町方と火盗改めにあって、
隠密廻り同心の道三郎と、火盗改めのお役に付く家の娘、結寿との
「ロミオとジュリエット」のような恋も、
お互いの想いが伝わり、いい感じに仕上がって来ていたのだが…。
結寿に縁談が持ちこまれ、あれよあれよという間に、決まってしまった。
ままならぬ仲とはいえ、二人は何とか、結ばれるのではと思っていたが、
切ない。
結寿が聡明で、しっかり者とはいえ、
武家の娘という、個人の気持ちなど、二の次、三の次にされる社会で、
どうにも仕方ない事態になってしまった。
収録されている短編には、
ハッピーだけでは終わらない、苦味や悲しみが色濃く描かれた作品が多く、
突き放された感じがしないでもない。
だが、余計、この二人の行く末が気になって、気になって。