親子坂」を読む。

 

 

 

「夜叉萬同心」シリーズの三作目だが、

個人的には初読みになる。

 

「本所、深川、浅草界隈は裏街道の顔役、

顔役、地回り全部ひっくるめて」から恐れられ、

「夜叉」と呼ばれるほどだから、

どれほど、悪で、冷酷で…、って思ったが、

腕はめっぽう立つが、案外、「普通」というか、

情があって、優しい。

 

ひょっとしたら、前作、前前作では、

通り名通りの、エピソードが語れられていたのか。

 

苦界に身を落とした武家の娘、そしてその姉妹が、

父親の仇をうつ物語、そしてその裏にある、

凶悪な盗賊たちとの戦い、

リズムよく描かれ、楽しめた。

 

ただ、山育ちの「草」の末裔である幻影が、

利用され、終には…。

彼が、純真で無垢であればあるほど…、

最後は、山に帰してやりたかった。