あん」を読む。
親に売られた少女が、宿屋の主に拾われ、
料理を通して成長していく物語。
近頃では、料理系の時代小説が増えてきた。
個人的には、料理系ではないのだが、
何といっても、池波正太郎さんの作品に、
味や香り、うま味を感じてしまう。
梅安や鬼平に登場するシンプルな鍋や、うどん、蕎麦には、
湯気を感じ、よだれが出てきて、同じものが食べたくなる。
それはともかく、
この作品でいいのは、
(シリーズ化され、すでに七巻出ており、
まだ、一作目しか読んでいないから、言いきれないのだが)
悪い奴、悪意の塊が、出てこない。
親に売られるという不幸せな境遇からスタートするのだが、
拾われた宿屋、紅屋の主が、なかなかの人物で、
さらに、そこに奉公する料理人や女中などが、
めっぽう、暖かくて魅力的なのだ。
まあ、このままで終わるはずはない、と思うのだが。
さて、古本屋にあったのが、この一作目と六巻のみ。
一巻から六巻まで、かなりの隔たりがありそうで、
六巻を先に読むか、それとも、二~五巻を必死で探すか。
電子書籍になってないようなのが、なんとも悩ましい…。