首都圏の緊急事態宣言が3月21日まで再延長された。


「延長」ではなく「再延長」である。


当初 首相は緊急事態を1ヶ月と言っていた。


2月7日で終了の予定だった。


医師達も含め、ほとんどの国民が1ヶ月では収束しないと考えていたが、その予感は的中。


首相は大した説明もせず1ヶ月の延長を宣言した。


さも国民の辛抱が足りないかのように。


さも、飲食店の対応が悪いかのように。


今度もまた何の根拠も示さずなんとなく再延長。


全ての指標が、首相が当初示したステージ3をクリアしたのに再延長。


緊急事態宣言を解除出来ない一番の理由は「医療現場の逼迫」と首相は言う。


「なんとなく思ったように感染者数が減っていない」というだけの理由で緊急事態を勝手に延長されたら国民は堪らない。


飲食店は本当に堪らないだろう。


医療現場の逼迫が最大の懸念点なのであれば、解決方法はむしろ簡単だ。


コロナ患者を収容出来る医療施設を増やせば良いだけだ。


医療施設数という「分母」が大きくなれば、逼迫度(%)は下がる。


この医療施設数の問題はまた改めて書かせて頂きたいが、感染者数や感染率は既にステージ3の目標を達成しているので、さっさと緊急事態など解除し、対策を医療施設数増に集中させるべきだ。


日本の新型コロナ感染者数は欧米諸国に比べて非常に少ない。


(意図的に検査数を減らして陽性者数を減らしているだけだが)


必然的に死亡者数も少ないが、他のアジア諸国に比べるとむしろ多い。


政府はどこを目指しているのか?


欧米並みの感染者数に抑える事が目標ならとっくに目標は達成している。


アジア諸国並みの感染者数と死亡者数を目指すには何が必要なのか?


今以上に感染者数を減らしたいのであれば、今の無策なまま放置していても目標は達成出来ない。


新型コロナは飛沫感染が最も多い事が米国CDCの調査で分かっている。


ウィルスが手指に付着して、それが体内に入り感染するケースは非常に少ない事が分かった。


ならば、飲食店は完全に閉店させるか(きちんと補償をして)、或いは孤食しか許可しないなどの方策を取らなければ感染は防げない。


夜8時までの営業を許可する事に何の医学的根拠もない。


飲食店ばかりが注目されるが、在宅勤務を進めていない企業はどうなのか?


欧米で効果が出ていないので、ロックダウンには効果がないなどと語る日本のコメンテーターがいるが、それは大きな間違いだ。


感染症予防の基本は接触を避ける事である。


欧米でロックダウンの効果が出ないのは、プライベートで集まってパーティーをしたりする人が多いからだろう。


スイスのスキー場で隔離されていたイギリス人200人が脱走したとの報道があったが、日本人ほど真面目に自粛する民族は他にはいないかも知れない。


完全に接触を回避すれば、感染が拡がるはずはない。


政府はそこまでやるつもりはあるのか?


感染者数は下げ止まりを見せているが、今のままではこれ以上感染者数を減らす事は出来ないだろう。


政府が無策で国民の努力頼みだからだ。


国民には自粛疲れもあるし、自粛している人はもうずーっと自粛している。


今の感染者数は、一部の自粛しない人達、自粛したくても業務上外出せざるを得ない人達の行動の結果であり、そこに手を入れなければ変化は期待出来ない。


私はとにかくこれを期に病院改革を進めるべきだと思うが、それはまた別途。


今は、政府が目指す所を明確にし、そのためには何をするべきかを明確にするべき段階に来ている。