『しない。』群ようこ/集英社
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しない。
1,296円
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群ようこさんが、還暦をすぎて60代になって考える、または実践している「しないこと」「やらないこと」「やめたもの」などについてのエッセイ。
「通販」「携帯電話」「化粧」「ハイヒール」などなど、すごく「私の考え」を理路整然と語っているなぁ、という感じです。
なんとなくやめた、とかなんとなくはじめた、、、ではなく、経験して、考えて、結果、使うのを辞めたものもあるし、自分の考えをじっくり語りながらしないものを説明しています。
年代的に私より上の年代で、女性が結婚せず、一人でフリーランスで働くということに対して、非常に風当たりが強かったと思います。
興味ないものを「しない。」(きらい)とバッサリ斬ってしまうのではなく、むしろ「化粧」なんて、女性なら化粧をしなければならない時ってあると思うのですが、特に肌トラブルもなく日焼けも気にしないできた私よりも、敏感肌で苦労している群さんは、たくさんの化粧品を買って、試し、失敗をし、損をしながらも最終的に今の60代という自分にふさわしい、厳選されたものを書いていて説得力があります。
同様なのが「手帳」
物書きとして、フリーランスになってからの自分の仕事の管理に必要な手帳も、化粧品と同じようなものと言えます。
群さんは、こだわるものには、徹底してこだわり、適当という言葉はありません。
無用だ、と群さんが思うものは「携帯電話」「ポイントカード」「SNS」「必要のない付き合い」などです。
それにからめとられて身動きできなくなってしまった人を冷静に観察して分析しています。
唯一、「言葉」というのがあり、「言葉はいらない。」ではなく、むしろ言葉を使う難しさを書いています。
群さんは、小学生の時から国語だけはいつもいい点数だったそうで、中学生になったとき「なんでも一番」でないと嫌な女の同級生から、目をつけられ、やたら張り合われたという経験を語っていて、テストの点数が一点でも二点でも自分の方がいいと「勝った、勝った」と大はしゃぎするという厄介な女の子。(数学で一番の男の子にも絡んでいたらしい)もう、その気だけは強い女の子の小物感ったら。
私もまったく同じ事が中学生の時あって、一部の女子が、勉強でも体育でもなんでも私より上だと「勝った、勝った」と手を叩いて喜んでいたのをしらけて見ていた、という・・・これが高校生になるとなくなるんですね。
やはり中学生ぐらいの年の子は厄介な年ごろなんでしょう。言葉で人を傷つける。上手く自分の考えている事が言葉で伝わらない。
そんな難しさを書かれていて、「言葉」だけは少々違う感じがします。
「物を捨てすぎること」というのもあって、タオル類は余計なものを持たないようにしていたらトイレの水道事故。困った話を書かれていて、何もかもいらないと切り捨てる「断捨離」とも違う意見を持たれています。
昔はおもしろいエッセイを書かれる人だなぁと思っていましたが、今は本当にしっかりと自分の意見を書かれる人でもあったということがよくわかります。

