『魔性の子』小野不由美(新潮社文庫)

 

 

 

 小野不由美のライフワーク、十二国記のいわば「エピソード0」

十二国の世界ではなく、人間界から迷いこみ、また、人間界に戻ってしまった戴国の麒麟、泰麒。

麒麟には、妖魔がいつもそばにいて、人間界に行っても、泰麒を害するものは、理由理屈なく制裁していく。

 

 人間界で高校生になった高里(泰麒)に手を出すものは下手すると謎の死をとげる。高里が知らない所で高里を「守るために」情け容赦ない制裁を繰り返す妖魔たち。

 

 読者である私たちは、その仕組みがわかるけれど、周りからしたら高里にちょっかいを出すと必ず仕返しがくる、と疫病神扱い。

高里は、感情がないようで、誰の事も好きでないかわりに、嫌いでもない。そのガラス玉の目、みたいなたたずまいが怖いのね。

 

 仕事で疲れているときにはちょっとしんどい本でした。

私が持っている本は、昔の文庫で字が小さくて、今回、字の大きいバージョンを買いなおしてしまいました。

おどろおどろしい話なのに、どこかドライなのが救いだったかも。