『いじわるな天使』穂村弘
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いじわるな天使
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穂村弘さんの‘いじわる’は「いじわるな天使がひそひそっ」とささやく、いじわるは、そう怖くないのです。
本物の意地悪というのは怖いものですが、穂村さんは、「気弱にちょっといじわるっぽいんですが、わからなかったかもしれないね、は・・は・・は・・それは仕方ないね・・・とぼとぼ」といういじわる。
天使がささいたという、ショートストーリーは、どこかほのぼのとしていて戦慄するような意地悪はありません。
私が好きなのは最初の『宇宙船で女の子をいじめる方法』
女の子のいじめ方のなかで、一等おもしろいのは、宇宙船の中でいじめるやり方だ。
宇宙港でデートする。そこまでは、ちやほやちやほやしてあげよう。でも、見学用の宇宙船に入って真空状態になったら、いじわるな事言おう。
でも言ういじわるは・・・
「貧乏大臣おお大臣、貧乏大臣おお大臣、びんぼーだ。びんぼー。」
「インディアンのふんどし」
「二十面相の水責めにあって小林少年と少年探偵団はあっぷあっぷ」
・・・・・
いじわる、というより相手の女の子は「何を言っているのかわからない」のではないだろうか。
それでも、ポニーテイルの女の子にさらなる「わからん」(同年代の私はわかる)いじわるをするのです。嗚呼。
そんな小さな「小いじわる」な話というより、ファンタスティックな妄想チックなショートストーリーが
ゆるゆる~としていて、ほむらくんって、やさしいね。
角砂糖の中には小さな真っ白な一角獣がいる、なんて小さなメルヒェンです。
いじわる、いじわる・・・いじわるしてやるぅ・・・と言いつつ「ごめんね、ごめんね」と同時に言っているような「いじわる話」
ほむらさんはきっと本当の意地悪を知っているのでしょう。だからこそ、「小さないじわる」が書けるのです。こんなこと書いて、ごめんねぇ~と、叫んでいるほむらさんが遠くに見えるような、それがゆらゆら、かげろうにゆれているような「ちょっとひねくれてるけどあまりひねりすぎない」そんな余裕も感じるさすがの言葉選びも歌人だと思うと納得のような気がします。

