『緑の瞳のアマリリス』ジェイン・アン・クレンツ(ハヤカワSF文庫)

 

 

 

 

これはハヤカワSF文庫であり、設定は十分SFなのですが、一気に読み終わってみると非常にロマンス熱烈恋愛血糖度が高い手ごわい小説でありました。もう、血がドロドロな感じ。

 

 250年前カーテンと言う謎の時空異常が太陽系に出現し、タイムワープで地球とよく似たセント・へレンズ惑星が出現。地球からどんどん入植するもののカーテンが突然閉じて地球とは隔絶されてしまった、「とりのこされた惑星」が舞台。

 

 地球と隔絶された入植者の子孫はその繁栄のために、一種の進化をします。

超能力者が出てくる。しかし、その超能力は人それぞれレベルがあって、しかもプリズムと呼ばれる、その超能力を補完する別の能力者と対でなければその能力は発揮できない。自分に合ったプリズムは派遣会社で探す。

 

 さらに、子孫を残すために結婚は絶対に仲介エージェンシーを通してで、離婚は許されない。恋愛結婚、御法度。

 

 さて、ここまでが「設定」で物語は、ルーカスという男が、プリズム派遣会社にプリズムを探す所から始まります。

ルーカスというのは、妻を亡くした会社社長。しかも孤児から一代で会社社長になり、筋骨たくましいタフガイであります。しかもスーパー超能力者。

そして、プリズムに選ばれたのは、アマリリス。緑の瞳をした美しいけれど、プリズムとしては最高レベルの10の資格や様々な大学資格を持っている優秀な女性。

 

 ここまできて、賢明なあなたはわかりますね。そう、ルーカスとアマリリスは恋に落ちる。

しかし、能力者とプリズムは超能力では必須パートナーですが、夫婦としては気性的に全く合わない、適合性ゼロに近いと仲介エージェンシーが判断する一番のパターン。

 

 もう、障害だらけの2人の恋の行方。

好きだ!結婚にはならず、ものすごい紆余曲折が出てきてしまう、その設定の手の込み方がなんといっても読ませてしまう(読んでしまう)一因ではないかと。

 

  私の右耳には「ありえないじゃん・・・」というつぶやきが聞こえるけれど、左耳には「な・なにが起きるのか」というつぶやきが聞こえます。

2人共、結婚仲介エージェンシーに登録しているから、いずれはそれぞれ、伴侶が決定してしまう。

 

  著者、ジェイン・アン・クレンツはロマンス小説の大ベストセラー作家だそうで、ものすごく納得

するけれど、相撲で言ったら、がっぷり四つに組んで、寄り切りで著者、ジェインに軍配は上がる。

読者の私は負けて悔しいか、というと、結構、喜んでいたりします。ロマンス力技、一本。