『人間コク宝』 吉田豪(コアマガジン)

 

 

人間コク宝 人間コク宝
5,794円
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 このインタビュー集の事を知ったのは又吉直樹さんの『第二図書係補佐』という本で、又吉さんの好きな本についてのエッセイ(書評でなないと思う、内藤陳さんと同じくおススメ本エッセイ)に掲載されていたからです。

 

 その後、映画のはしごをしていて2時間位時間が空いてしまったときにヴィレッジ・ヴァンガードで購入。映画を待つ間に熟読しました。

帯には

「本人よりもその人に詳しい芸能本史上最強のインタビュアーによる濃厚インタビュー集。(田代まさしの留置所からの手紙も掲載!)」

不謹慎と思う真面目な方や女性向けとは思えません。

 

 インタビューの人選も凄いし、綺麗事をちゃらちゃら言わない人たちの濃いインタビュー集なのですが、やはりインタビューする人吉田豪さんの詳しい事、詳しい事。

打てば響くように答えをすらりと出すし、帯通り本人ももう持ってない本なんかもしっかり持ってる。そういう姿勢で臨まれるとやはり話も深くなっていくのだろうなぁ、と思います。

 

 初出はBUBKA MAXという雑誌で後にBREAK MAXに移行します。2001年から2004年まで。

この後もインタビューシリーズは続くのですが、やはり一番最初が大御所ばかりという事で、こういう本は、その人の名前と顔と何をした人かわかる範囲でないと面白くないんですね。

だから、やはり最強の布陣はこの第一弾だったと思うのです。

 

 テレビなどの印象とは全く違う、物騒な過去を平気で話せる人って、器が大きいと思います。

真実はどうだったか、ではなく、本人曰く、という本人語りを吉田豪さんがリードして上手く聞き出すという事を楽しむ本であり、暴露する本ではありません。身内やよく知っている人からしたら違うかもしれないのですが、あくまでもビックリ武勇伝なんてザラです。

 

 一番最初は、最近になってテレビで重宝されている坂上忍さん。かなり悪童な子役時代からですが、本人こんなこと言っていいのか、と思うくらい淡々と自分の黒歴史を語りますね。

最終的には原稿チェックをしてもらうそうなので、本人が嫌がれば当然カットになりますが、けろっとしている人はやはりすごいし、面白いし、悪童だったが良い大人になりました、ではなく、ああ、変わらないですねぇ、ってけろっとしてるのです。

最後は大御所、内田裕也さん。

 

 さすがのヤバさに吉田豪さんが自粛カットをたくさんしたチャック・ウィルソンさん、淡々とダメな自分を語る岸部四郎さんや梨本勝さん、ジョニー大倉さん、まさに逮捕寸前だった(神回と後に呼ばれる)田代まさしさんというパターンがひとつあります。

 

 ロス疑惑の三浦和義さんやカルーセル真紀さん、最後の内田裕也さんなんかは、もう大物感漂っていて、読んでいてうっとりしますね。

三浦さんの「バイクは盗んだけど、自転車は盗んだ事はない」は名言。

 

 今回、再読したのは、『帰ってきた人間コク宝』という新刊が出ると知ったからなのですが、もうね、インタビューした人で知っているのは泰葉だけという状態。

泰葉は、一年ぐらい前から観察していますから、別に読まなくてもいいし、所詮、泰葉は小物。

吉本芸人などはあまりいなくてそれなりに選んでいると思いますが、やはりこの第一弾は人間の業みたいなものをヒシヒシと感じるし、いかに自分が小さい人間であるか痛感します。