『にょにょにょっ記』 穂村弘 (文藝春秋)

 

 

にょにょにょっ記 にょにょにょっ記
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 『にょっ記』『にょにょっ記』に続く、脱力日記第三弾。

穂村弘さんは、独身時代の「もてない男のココロの叫びエッセイ」がとても好きだったので、晴れてご結婚されてからはごちそうさまとでも言いたくなるような事があります。

 

 ただ、この『にょっ記』シリーズは一度読むとクセになるし、軽い読み物としてとてもいいと思います。

フジモトマサルさんのイタチのような動物がぶつぶつ言っている絵もとてもいいし、今回特に絵が良かったですね。

 

 日記、ブログというのは自分の事を書く場ではあるのですが、自分をからませつつ、その目に映る世界の面白さというのが際立っています。

 

 よく穂村さんは散歩に行きますが、散歩先で、蔦屋敷があって、周りの家はつるつるなのにどうしてこの家だけ蔦がからまっているのか、そしてよくよく見るとその家は新しい家であり、どうやって蔦をはわせたのかわからない、と茫然とする。

 

 蔦屋敷の特徴って、蔦屋敷通りがあるという訳でなく、ぽつりと一軒なのですよね。

蔦の根が家に食い込むから実は家がもろいそうです。でもなんとなく風情があり、自分の家だと嫌だけどまぁ、見てみたい気はします。

 

 穂村さんの目や耳は、何気ない所からの拾い物がとても多いのです。

シュウマイの上によく乗っていたグリーンピースを最近見ない・・・という驚愕の事実にこだわる穂村さん。最近のシュウマイには確かに何も乗っていません。奥さんにはあっさり「そうねー」と流されてしまいますが、独身時代だったらもっと悶絶していたと思いますね。

なぜ、なぜないんだあああああ・・・みたいな。

 

 あまり長々と引用しても興ざめなだけですから、気晴らしに手にとってみたらいかがでしょう。

文庫版になると解説がつきますが、今の所、最新刊で単行本です。

昔は文庫版の解説がありがたかったのですが、最近、ない方がよくなってきました。

本の余韻にひたっていたい、というかね。そんな感じ。

 

 

終わり。