世界的人気漫画・アニメ「ドラゴンボール」などの作者で、2024年に亡くなった漫画家の鳥山明さんが仕事場としてきた愛知県清須市内の建物の解体工事が進んでいる。数々の名作を生んだ「聖地」の消失に、地元や関係者からは惜しむ声が上がっている。
いまの「聖地」の様子は…?
清須市出身の鳥山さんは長年、市内の自宅を仕事場としてきた。黄色の外観が特徴的で、地元住民やファンらの間では聖地として有名だった。
所属会社「バード・スタジオ」もこの建物に置かれていたが、24年3月に68歳で亡くなった後、26年8月に清須市から東京に移転。残された建物の行く末が注目されていた。工事は10月に始まり、既に大部分が取り壊されている。
◇「記憶の中で残っていけば」
現場を見に行ったという鳥山さんの元アシスタントでイラストレーターのまつやまたかしさん(68)は「鳥山さんの作品のほとんどはそこから生まれている。自分の働いていた場所でもあり悲しい」と振り返る。その上で「住宅街なので博物館にするというのも難しかったと思うし、仕方ない。記憶の中で残っていけば」と語った。
近所の60代女性は「穏やかな先生で動物がすごく好きだった」と鳥山さんとの交流を懐かしみ、「外国人もよく見に来ていた。市のシンボルだったのでもったいない」と解体を惜しんだ。
SNSでもファンの間で解体が話題となっており、「先生の職場が無くなるのはつらい」「創作拠点は、日本だけでなく世界の漫画文化にとって重要な場所」などといったコメントが相次いでいる。
永田純夫市長は毎日新聞の取材に「取り壊しは鳥山先生のご家族によって決定されたものと拝察する。市としてはご意向を尊重し、静謐(せいひつ)な環境で工事が完了することを見守りたい」とコメントした。【川瀬慎一朗】
