韓国の20代が「ちいかわ」に熱狂…

映画観客の45%

可愛さと過酷な世界観に共感

ちいかわ 韓国の音楽番組に初出演 現地の反応は? 〝まるで新人 ...
【10月18日 KOREA WAVE】日本のアニメーション映画「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」が
韓国の20代から圧倒的な支持を集めている。映画館大手CGVの集計では、観客の45%が20代。
次に多い30代の20%を大きく上回った。

通常、映画消費の中心は30〜40代だ。興行首位を争う「暗殺者(たち)」では40代が28%、30代が21%、20代は16%だった。映画館関係者は「日本のアニメ映画はこれまでも多数ヒットしたが、20代の比率がこれほど高いのは『ちいかわ』ならではの特徴だ」と話す。

9月30日に韓国で公開された同作は、10月14日までに141万人を動員。15日午後9時時点の前売り観客数は約10万人で、予約ランキング首位に立った。週末には150万人を超える見通しだ。

業界では、その勢いに驚きが広がっている。日本のアニメが幅広い層に楽しまれるようになったとはいえ、独特の作風を持つ「ちいかわ」がここまでヒットするとは予想していなかったという。

従来の人気作は、魅力的な人物や明確な物語、華やかな演出を備えていた。一方、「ちいかわ」のテレビアニメは約1分30秒の短編で、絵柄もシンプル。劇場版には大きな物語があるものの、シリーズ自体はキャラクターの日常を描く作品だ。

韓国で「モンジャックィ」の名でも知られる「ちいかわ」は、漫画家・イラストレーターのナガノが2017年にXへ投稿したイラストから始まった。ちいかわ、ハチワレ、うさぎを中心に人気を広げ、2020年に公式アカウントで本格連載を開始。2022年にはテレビアニメ化され、韓国ではネットフリックスやTVINGなどで視聴できる。

劇場版は日本で7月に公開され、興行収入172億円を記録した。

最大の魅力は、何といってもキャラクターの可愛さだ。2月にはソウル市龍山区にグッズ店が開店。10月8日の限定新商品発売時には、前夜から列ができた。日本キャラクター大賞でも、2022年から2026年まで、2023年を除いてグランプリを獲得している。

ただ、人気を支えるのは可愛さだけではない。その奥にある、厳しい世界観も大きな要素だ。

ちいかわたちは草むしりで働き、より良い報酬を得るために資格取得を目指す。時には怪物を倒す危険な仕事も引き受ける。日常に耐えられず怪物になってしまうこともあれば、ささやかな幸せを楽しむこともある。そこには社会や経済、生存、労働、階級が存在する。

しかし、作品は特定のメッセージを押し出したり、世界の仕組みを直接説明したりしない。その余白が、若者にさまざまな楽しみ方を与えている。

苦しい日々を送るキャラクターに自分を重ねる共感は、その入り口だ。さらに、十分に説明されていない世界を解釈し、議論する楽しみへと広がる。ユーチューブやインスタグラムには、世界観を考察するコンテンツが数多く投稿されている。

一見すると子ども向けにも見える作品が、大人たちが真剣に、そして楽しく解釈を交わす対象になっている。

評論家のキム・ギョンス氏は「漫画ではなく哲学だ、というミームがあるほどだ」と指摘。「単に見るだけでなく、共感や解釈、グッズ消費を通じて関わる参加型コンテンツになった」と分析する。

こうした作品は通常、熱心な愛好家が中心になりやすいが、「ちいかわ」は可愛いキャラクターのおかげで、幅広い人が入りやすい作品になっているという。